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1日で取引額5兆円も。「電子決済大国」中国に日本が学ぶべきこと

あなたは「お金」と「時間」、どちらが大切だと思いますか? 「お金があっても時間がない」という方もいれば「時間があってもお金がない」と悩んでいる方もいるかもしれません。しかし、無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』の著者・音多さんによるとその二つは密接に関わっているようで、日本より遥かに電子決済が普及している中国を例に「お金の使い方を考えれば、自ずと時間は生み出せる」とはどういうことかについて解説しています。

お金の使い方で時間を生み出す方法

今日はお金のタネをお届けします♪

世の中で最も大事な物はなんでしょうか? それはお金では買えない価値であり、その筆頭に来るのが「時間」です。よって今回はお金の使い方から「時間を生み出す方法」について考えたいと思います。

先月中国では「独身の日セール」(毎年11月11日)が話題になりましたが、毎年話題となるのがその日1日の「取引額」です。今年は業界二強のアリババとジンドンの合計額が「5兆円」となり、これは日本の楽天の年間取引額「4兆円」に匹敵します。日本の大企業の年間取引額をたった1日で超えてしまうわけですから、中国のEC市場規模はどんだけ大きいんだと驚きますね。

しかしその背景には、中国市場における電子決済の普及が大きく関与していまして、中国にはモバイル決済が大きく浸透しており、決済の快適性、利便性、スピードが段違いに高いんですね。この差の開きは今後もどんどん大きくなるでしょう(これが良いか悪いかは後で説明します)。一方の日本はまだまだ現金社会。リアルマネーで買い物をする人が大多数です。

で、ここが経済規模拡大における非常に重要なポイントであるわけです。

そもそもお金がいつ生まれたのか ?という部分に想いを馳せれば、始めは当然お金では無く「物々交換」でした。人類には約5,000年間も物々交換の時代が続いたと言われています。

その頃の生活で何が不便だったか?

それは日々生きる為の食料調達において、そう簡単に物々交換の相手が見つからないという事です。すると1日のほとんどが、物々交換する相手を探す為に移動したり、相手と交渉する事で過ぎて行くんですね。という事はそこに文化の発展など望めないという事です。何故なら生きるだけで精一杯なのに、さらにその上文化的な創作活動や知識を身に付ける為の自己啓発活動など出来ませんからね。

ですから人類が本当に知恵を身につけ出したのは、その後お金の考案者が出て来て、物々交換をせずとも良くなった後の世界の出来事なんですね。

さて、そう考えると日本の現金社会もモバイル決済が進んだ中国と比べると、なんだが物々交換時代に取り残された時代のように感じませんか。例えばわざわざデパートや電気屋に行って現金で支払う事と、頭で欲しい商品が思い浮かんだ瞬間にスマホで品物を見つけモバイル決済する違い。はたまたファミレスでわざわざレジに並び、小銭を数えながらお会計する人達と、食事をしながらモバイルで決済を済ませてしまう人達…。

そこでこの二者の違いについて、資本家側と我々消費者側から見たメリットを考えてみましょう。中国の「5兆円」という規模のEC決済は凄いんですが、それはあくまで資本家にとっての話しです。我々消費者はこうした状況からある事を学ばなければならないんですね。

こうした日本と中国のモバイル決済の浸透の違いを資本家側から見るととてつもない差を感じると思います。何故なら決済スピードの迅速化を中国のように十数億人規模で使うと、あっという間に数兆円規模になるからです。もし中国にまだモバイル決済が無かったら独身の日の売上げは5兆円という規模にはならなかったはずです。

では過去に取り残された日本は中国に追いつけ、追い越せと言わんばかりにモバイル決済を普及すべきなのか? 実はそうでは無いんですね。

独身の日に1日だけで「5兆円」も売り上げてしまう中国。その規模は確かに凄いわけですが、ここで目を向けるべきなのは「誰が」凄いのか、という事です。その答えは中国という国でも無く、中国国民でもありません。凄いのはアリババやジンドンの「経営者」フィンテックの仕組みを中国にもたらした「誰か」ですね。そして彼らがこの「凄さのメリット」を受取る人達です。

だからモバイル決済の利便性を凄いとばかりも言ってられません。何故ならそれは資本家側の利益であり、逆に消費者の我々からすればそれだけ簡単にお金を「引き出されている」という事ですよ。もちろん我々にも「物欲を満たしやすくなった」というメリットがあるわけですが、その分、多額のお金を差し出す事になったわけです。よってここで考えなければいけないのは、我々がこうした利便性からどんなメリットを得られるか? という事です。

そこで真っ先に考えるのが「時間」です。

ほんの10数年前までは、欲しい物を手に入れる為に列を作って並んだり、在庫探して店舗を回る必要がありました。これはどんなにお金があっても避けられない作業だったんですね。しかし今はモバイル決済の利便性とスピードによって、思いついたら即購入出来るようになったわけです。商品は宅配業者がその日のうちに持って来てくれるようになりました。

しかしここでただ「便利になったな」で終わっていたらあなたのお金がどんどん引き出されて行くだけです。だからその真のメリットである移動や探し物の手間が省けて「時間が生まれた」という点をしっかり認識しておかなきゃいけません。

今まで全ての購入事(食糧、衣類、家電製品)を手に入れる為に使っていた時間、車や電車で移動してわざわざ手持ちで家に持ち帰って来た時間や労力を削減出来るようになりました。そして買い物以外の事を考える時間が生まれたんですね。

時間価値が以前と比べ段違いに重要になってきている今、この点に気付き、そこからあらたな価値を能動的に生み出せるかどうか、という事にこれから生き残る秘訣です。そうして富と成功を築いてきたのがアリババやジンドンの「経営者」であり、仕組みを作る側の人達です。

お金の使い方によって時間を生み出せるようになった今、我々にも彼らのようになれるチャンスがやってきているんですね。

image by: charnsitr / Shutterstock.com

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【著者】 音多秀茂 【発行周期】 ほぼ 季刊

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