彼女たちは幸せ。フツーの子を浪費に走らせる非日常ビジネスの実態

 

3. 浪費を誘うファッションとは?

80年代DCブランド全盛の頃ファッションに浪費する人は多かった。DCブランドを着用すると、良い意味で周囲から浮き立った。その効果は抜群で、異性に好感を持たれたし、同性の友人からも称賛された。正に、着用するだけで異世界に行けたのだ。だから魅了される人が生まれ、浪費の対象になったのだ。

現在のSPAは、トレンド追従型にせよ、ベーシック型にせよ、周囲から浮き立って見えることはない。品質と価格のバランスも良い。賢くバランスの良い生活を志すのに最適な服である。しかし、突き動かされるような感動を覚えることはない。

私たちの生活は、賢さを求められている。ビジネスの世界も同様だ。独創的、個性的なデザインよりも、消化率を追求した方が効率が良い。

コモディティ商品は賢く作ればいいが、ファッション、特に浪費の対象となるようなファッションは浪費を誘う魔力が必要だろう。但し、この魔法は商品だけでは完結しない。

AKBのファンは、総選挙のためにCDを大量に購入し、推しメンを応援する。最早、CDは商品ではないのかもしれない。

ファッション商品も同様のアプローチがあるかもしれない。デザイナーを応援するために商品を購入する。あるいは、服を着用した画像をアップするために服を購入する。

最近、Perfumeがブランドをプロデュースするというニュースを聞いたが、もし、ファンがPerfumeを応援するために、ブランドの商品をコレクションするなら、単なるタレントブランドではなくなるかもしれない。

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