4. 浪費市場の活性化
外国人は「私はオタクです」と胸を張る。オタクの意味を尋ねると、「オタクとは、一つのことに純粋に興味を持ち、探求する人」であり、「オタクという呼び方には尊敬の意味が含まれている」とか。
オタクは、世間体とか一般常識にとらわれずに、自分の好きな道を邁進する。一般の人から見たら、オタクの消費行動は理解できないだろう。自分の好きなコトやモノには惜しげもなくお金を遣う。むしろ、それが生き甲斐であり、そのために他のことを犠牲にもするし、そのために仕事をする。
オタク消費は一般の人から見れば浪費である。本人にとっては素敵な体験であり、生き甲斐だ。
きもの好きは、洋服を買うならきものにお金を遣いたいと思う。したがって、普段の洋服には無頓着だ。ロリータの子も同様の傾向がある。お金を遣うなら、ロリータのドレスに遣いたいので、普段のファッションは気にしていない。
ここが分かれ道だ。どうでも良いと思われる服か、お金を遣うならこの服やブランドだけに遣いたいと思われるか。現在のアパレル市場は、前者ばかりを相手にしている。
ファッションの活性化には、ファッションオタクの育成が必要である。そして、オタクの興味の対象となるファッションとは何か。オタクが浪費したくなる服とはどんなものかを考えなければならない。
たとえば、アイドルに浪費しようとする人にはどんな商品を用意すればいいのか。現在、フィギュアやグッズだけで十分なのか。それとも、何らかのコラボイベントを仕掛けるべきなのか。そこを深堀してみたい。