お客さんが誰もいないお店、とても入りにくいですよね。シーンとした店内で、自分の足音や商品を触る音が響いているような気がして、一層居づらくなり買う気も失せてしまいます。お店側として、そんなお客様の心理をプラスの方向に持ってゆく方法はあるのでしょうか。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、思わず納得のテクニックを明かしています。
賑やかさは居心地が良い
クリスマスシーズン、セール時期ということもあり、どのお店でも、店頭が賑わっています。先月(11月)と比べても、お客様の数が増えていたり、売上が上がっているお店が多いのではないでしょうか。
こういう賑やかなときというのは、人の心理として、お金を使うことへの抵抗が薄れます。というより、楽しくなって思わず買い物をしてみたり、思わずお店に入店してしまう人が増えるのです。これは皆さんも肌で感じていることではないでしょうか。
お店に従業員しかいないときと、お客様が何人もいるときでは、入店率がまったく違いますよね。明らかにお客様がいるときの方が、入店率は高くなります。同時に、周囲のみんなが買っていたり、わいわいしていると、購入率も自然と高くなりますね。一度レジに行列ができてしまうと、一気に人が並び出すようなものです。
常に賑やかであるということは、自然とお客様の購買意欲を上げているということでもあります(ハイブランドや百貨店などではその限りではありませんが)。そして、この話は、普段の店頭でも活きる話です。
お店の中に、お客様が一人二人しかいない状態で、誰かが接客をしています。すると、周囲のスタッフは、できるだけ静かにしていようとしがちです。平日に買い物をすることが多い私もよく経験するのですが、接客している人と、自分の声だけが聞こえるような状態ですね。あれって、ものすごく居づらくありませんか?
周囲のスタッフの人たちは、気遣ってくれているというのはよくわかるのですが、自分の声も話している内容もすべて筒抜けですし、なんとなく静かすぎて違和感を覚えます。周りに聞き耳を立てられているような状況では、落ち着きませんよね。
でも、同じような状況でも、周囲の人たちが元気に動き回っていたりすると、とても居心地が良くなるのです。これは決して、声を大きくするとかではなく、単純に賑やかな状態を演出できているかどうかの問題です。
あまりに静かすぎると、お客様としては、自分だけにスポットライトが当たっているような感覚に陥ります(極端な言い方ですけどそんな感じです)。それが、周囲の人たちが、動き回っていたり、作業をしていたりして、賑やかな状態を作れていると、あまり気にせずに接客を受けられます。
集団心理の応用みたいな話ですが、今の時期のような店頭の状態を販売員側で作りましょうよということです。
もちろん、お客様によって感じ方は違うので、相手は見なければいけませんし、一概にそうだとは言い切れませんが、私の経験上、かなり販売率は上がります。お客様が少ないときでも、賑やかさを演出するにはどんな方法があるか。考えてみてください。
今日のおさらいです。
- 賑やかさの演出で、居心地を良くする。
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