例えば3ヶ月先のイベント等のお誘いを受けた際、まだスケジュールが埋まっていない事もあって気軽にOKしてしまうという方、注意が必要なようです。無料メルマガ『弁護士谷原誠の【仕事の流儀】』では、「遠い未来の約束は、後々あなたを追い詰める」として、そんな予定の依頼を受けた場合の対処法を、弁護士らしい目線で具体的に記しています。
遠い将来の予定はこわい
こんにちは。
弁護士の谷原誠です。
皆様は、友人から「今週の金曜日の午後、イベントがあるのですが、参加していただけませんか?」と誘われた場合、まずどのようなことを考えますか。特に仕事上、参加する必要のないイベントです。
まず考えるのは、その日のスケジュールでしょう。つまり、その時間に仕事が入っていないか、あるいはほかの人と会う約束があるか、といったことです。
先約があれば残念ながら断ることになります。はっきりとした先約だけではありません。また業務多忙の時は、必要のない予定は入れたくないもの。その場合も断るかもしれません。
では、質問です。これが「3ヶ月後の〇月〇日の午後にイベントがあるのですが、参加していただけませんか?」だとどうでしょうか。それほど先の話だと、予定は入っていないことが多いはずです。そのため、軽い気持ちでOKする人も多いでしょう。
しかし、ちょっと立ち止まって考えてみてください。本当にそれでいいのでしょうか。3ヶ月後に予定が入っていないことは、3ヶ月後が暇であることを意味しません。おそらく、その時が近づいてくると、仕事にプライベートに予定が入り、今週末と同様に忙しくなるのではないでしょうか。
また、今週末のスケジュールをチェックしている時は、ほかの予定が入っているか否かはもちろん、忙しさや体調等、たくさんの要素を検討したうえで、優先順位を付けています。当然、3ヶ月後のそれらの細かい状況はわかりません。3ヶ月前に行った約束は、その時が近づくにつれ、私たちをどんどん追い詰めていくのです。
中には、何年前のオファーであろうが、必ず最優先すると言い切れる約束もあるでしょうが、それほど重要性が高くない約束を、その時に入れるのは合理的な選択だとは思えません。
時間管理においては、この「近未来」と「遠い未来」の時間の重要性に、錯覚があります。遠い未来を拘束されることは極めて重大なこと。むしろ近未来のほうが、不確実性が少ないので、約束することの負担は少なくなります。
もし、今後、遠い未来の予定の依頼を受けた場合には、自分に問いかけましょう。
「仮に、今週あるいは来週の依頼だったとしても、依頼を受けるだろうか?」
もし、「近い将来であれば依頼は受けない」ということであれば、その予定は、将来、「なんでこんな予定を入れたのだろう?」と、私たちを苦しめることになるでしょう。今、決められないのであれば、「今は決められない」とか、「1ヶ月以上先の予定は入れないようにしている」とか断るのも一つの方法です。
逆に、こちらから相手のスケジュールを拘束するようなお願いをするときは、早めにしておいたほうが、相手の心理として受けてもらいやすくなることもあります。
しかし、その時は、相手にゆくゆく負担をかけるかもしれない、ということは意識した上で頼みたいところです。
今回は、ここまでです。
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