街を歩いて異質なものを見つけると「何だろう」とどうしても気になってしまう…、そんな経験はありませんか? 今回の無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』では著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんが、大阪のあるお店を例にあげその「何だろう」の利用方法を詳しく紹介しています。
「何だろう?」で、注目を集めろ!
あなたのお店の“売り”は何でしょうか。品質? 価格? 接客?
もちろん、それらも充分に“売り”となる要素です。しかし、そんなお店はどこにでもあります。余程突出したものでなければ、他店との差別化にはなりません。では、どのような“売り”があれば、激しい競争に勝てるのでしょうか。
「他店にないものを売る」「他にないお店になる」。
無能なコンサルタントが言いそうなことを書きましたが、間違っているわけではありません。理想ではありますが、容易ではないため、あまり言わないだけです。他にないものを売っていれば、当然注目を集めますし、その価値を認める人が増えれば、お店として永続が可能な状態となります。
大阪堺に「プノンペン」という飲食店があります。そのお店のメニューは1つ。「プノンペンそば」。トッピングやご飯はあるものの、たった1つの料理で勝負しています。
元々は町中華のお店としてオープンしたのですが、後に「プノンペンそば」が誕生。店主が子どもの頃に食べていた、カンボジア人屋台のラーメンをヒントに、オリジナルで創作した料理です。カンボジア人がやっていたというだけで、カンボジアにこんな料理はありません。杓子菜、セロリ、トマト、唐辛子、にんにくを炒め、鶏ガラしょうゆのスープを加え、それを麺に掛けたもの。
なぜ、この料理が「プノンペンそば」になったのでしょうか。テレビで「カンボジアの内戦」を観た店主が、「カンボジアはこれから発展するだろう」という思いから、首都である「プノンペン」の名を拝借したと言います。
実に適当なネーミング。
創作した時点では、カンボジアに行ったこともありませんでした。食材はすべて国産にこだわっている、というオチまでついています。これを機に、店名を「プノンペン」に変えてしまいます。
「プノンペンそば」はお客さまに受け、誰もが注文するようになります。やがて、「プノンペンそば」ばかりが売れるようになり、店主は決断。これ1本でやろう、と。それ以降も、お客さまが絶えることはありませんでした。暖簾に「プノンペン」と書かれていることで、さらに興味を持つ人が増え、マスコミにも取り上げられるようになります。
まったくの創作料理で、カンボジアには存在しない「プノンペンそば」。その未知なる料理に人は興味を持ち、食べてみたいと思うようになります。人びとは、知らないものに目がありません。「何だろう?」は、大きな集客力となるのです。
image by: Googleストリートビュー