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【書評】朝日新聞は何がしたいのか?週刊文春元編集長らが斬る

かなり過激に朝日新聞批判を展開している1冊を紹介している、無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』の編集長・柴田忠男さん。取り上げています。週刊文春の元編集長らが主張する、「朝日リスク」とは何でしょうか?

朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す
櫻井よしこ、花田紀凱・著 産経新聞出版

櫻井よしこ×花田紀凱『朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す』を読んだ。真っ黒な地にタイトルなどが白抜きのカバーが非常に不吉な印象。章のタイトルはえらく刺激的である。言論機関・朝日の自殺、印象操作を“自白”した朝日の訴状、「報道しない自由」を行使されて、朝日とNHKは泥舟と共に沈むのか、軍靴の足音は朝日から、民主主義のため「朝日、死ね」、そして堤堯×花田紀凱「マスコミの大合唱は疑え」。

二人の古巣は文藝春秋。堤は『文藝春秋』『諸君!』の編集長、花田は『週刊文春』の編集長だった。かつての大編集長二人はいまの『文藝春秋』をどう思っているのか、興味津々ではないか。文春を再建した池島信平が堤に言った。朝日とNHKと岩波、この三つが世の中の大きなオピニオンの流れ、いうなら世の大勢を作る。雑誌の役割はこの三つを是々非々で批判することである、と。

世論の加熱しているときこそ、まず疑え、ということだ。今回のモリトモ安倍下ろしの仕掛け人は朝日だ。それが「安倍一強打倒」の大合唱になった。本来の文春なら、この方向に異を唱えただろう。いやいや、ちょっと違うのではないか、立ち止まって考える。それが雑誌作りの基本だ。マスコミが挙げて大合唱したときに、「これはおかしい」と思わなければ、雑誌の存在理由はない。

2017/7月号「驕れる安倍一強への反旗」前川喜平手記、8月号「安倍首相が自民党を劣化させた」、9月号「安倍総理でいいのか」、10月号「安倍総理『驕り』の証明」「小池国政新党」、11月号「小池百合子・私は本気で政権を奪う」と続いた。「文藝春秋」の編集長は、朝日新聞と同じ夢を見ているのだ。堤「雑誌が新聞やテレビと同じ歌を歌って何が面白い? 何の意味がある?

マスコミが挙げて政権交代を連呼した結果が、あの民主党政権の悲惨な3年半である。あんな分かりやすい例があるのに、天下の文藝春秋がこのざまである。『週刊文春』も毎号のように安倍批判を繰り返している。最近では、3/22号「安倍夫妻の犯罪」、3/29号「安倍夫妻の罪と罰」、4/5号「安倍『暗黒支配』と昭恵夫人の嘘を暴く」……常軌を逸している。文藝春秋の精神は雲散霧消だ。

かつて文春と朝日には交流があったが、「全面講和」「非武装中立」「60年安保」で対立した。朝日の唱えていたことは全部間違っていた。地獄の北朝鮮を「地上の楽園」と報じ、中国の「文化大革命」を「永久革命」と讃え、毛沢東を「中国の西郷隆盛」と書いたのが朝日。架空の伊藤律会見記、サンゴ事件、従軍慰安婦捏造報道、吉田昌郎に関する歪曲報道、フェイクニュースを続々と。

堤の文春時代の口癖のひとつに「代案を出せ」がある。他を批判するのであれば、まず代案を出せ。代案が出せなければ、単なる批判のための批判になってしまうのだ。花田「安倍政権批判に急な朝日に問いたい。なら、朝日は誰が総理ならいいのか。代案を出せ!」。朝日が名誉毀損で告訴したのが、一人の評論家と小出版社。朝日もついにやきが回った。終わりの始まりだ。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

 

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