始まりは親の愛。大型コインランドリー「マンマチャオ」急成長の訳

 

「エコランドリー」&「電子マネーランドリー」

では、マンマチャオの「エコランドリー」は、どのように表現されているのかを見ていきたい。

三原社長がコインランドリービジネスに注目したのは、以前に業務用の洗濯機を輸入する商社に勤めていたからだ。独立を考えていた三原社長は、本場・米国の老舗コインランドリー用機械メーカーのデクスターが日本に販路を持っていないことに気づき、直接交渉。見事、日本での販売権を手に入れた

しかし、実際に機械を輸入して販売してみると、利幅が薄く、自らコインランドリーを経営したほうが商売になると、マンマチャオの展開を始めた。なので、同社は今も少量ではあるが同業他社にデクスターの洗濯機、乾燥機を販売する商社としても活動している。

同社のコインランドリーは洗剤仕上げ剤持ち込み不要のシステムを取っており、洗濯機にコインを入れると自動的にドラムに注入される。洗剤にヤシの実石鹸、仕上げ剤には柑橘類のクエン酸と、いずれも天然の素材を使っていて、敏感肌の人でも安心して使えるのが最大の特徴だ。

水も電解水を使い、電解水には汚れを落とす機能と殺菌作用があるので、洗剤、仕上げ剤の使用量も通常の半分以下と少なめである。通常は2回行うすすぎを1回しかしないので、水の使用量を約33%削減できている。洗濯時間も19分と短めで、電気もあまり使わない

さらに、ガス乾燥機の廃熱は通常外に排出されるが、マンマチャオの場合は一部ドラムに戻して、廃熱エネルギーを再利用している。これにより、ガス消費量と二酸化炭素発生量の低減と経費節減を実現している。

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総じて肌にも環境にもやさしく資源の節約にもなる設計のシステムとなっている。エコロジーとエコノミーが共存しているといった意味で、エコランドリーとなっている。

息子がアトピーの体質なんです。自分の息子が、自分のやっているコインランドリーで洗濯できないのはつらいじゃないですか。そこで、洗剤を自ら開発したのです」(三原社長)

三原社長にとってエコランドリー開発の原点は、アトピーの息子の洗濯物でも洗えるようにとの切なる願いにあったのだ。

電解水は、たまたま三原社長がメーカーと知り合いになる機会があり、ホテルやビルなどの配管の詰まる原因となるスケールが付着しなくなるのを売りに、営業をかけていたものを、コインランドリーに使うと面白いとひらめいて導入したという。

マンマチャオは「電子マネーランドリー」にも、既に2010年から取り組んでおり、エコランドリーと共に、その言葉に商標登録を済ませている。「nanaco」をはじめ「Suica」、「PASMO」、「ICOCA」などの交通系ICカードに対応しており、電子マネーが使えるコインランドリーでは、マンマチャオが市場を独占している状況だ。3,000円で購入すれば、3,600円分使えるお得なプリペイドカードも、自動販売機にて販売しており、リピーター率アップに貢献している。

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