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なぜバスケ「Bリーグ」のあのチームは集客を2倍にできたのか?

発足から2年の今、ますますの盛り上がりを見せているバスケットボールのBリーグ。そのなかでも特に集客が伸びているのが千葉ジェッツというチームですが、同チームの戦略は店舗経営にも応用できると語るのは、無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者・梅本泰則さん。梅本さんは今回、その理由をメルマガ内で詳しく記しています。

千葉ジェッツの集客に学ぶ

Bリーグが盛り上がっています。観客動員数も増えてきていて、2017年度は約148万人でした。今年は、それを上回るのは確実です。そのBリーグの人気チームの一つ、千葉ジェッツの集客戦略について話を聞いてきました。講師は、(株)千葉ジェッツふなばし代表取締役社長の島田慎二氏です。

実は、千葉ジェッツは、3年連続で年間入場者数が1になっています。2016年の総入場者数は約135,000人で、2位のチームに3万人以上の差をつけてダントツです。そして、一試合平均入場者数は2014年が1,909人、2015年が3,539人、2016年は4,051人。3年間で2.3になっています。すごいですね。何か集客の秘密があるのでしょうか。

プロ野球でもJリーグでも、チームが強ければ観客が増えると考えられがちです。実は、必ずしもそうではありません。例えば、プロ野球でいえば、昨年セ・リーグ5位だった中日は、観客数では3位でした。また、Jリーグでは、さらに明らかです。昨年成績13位のFC東京の観客数は2番目で、成績17位のアルビレックス新潟の観客数は6番目となっています。

つまり、チームが強ければ観客が多くなるとは言い切れません。スポーツショップにたとえれば、有名ブランドをそろえるだけでお客様がやってくるわけではないということです。

それはともかくとして、千葉ジェッツはどのようにして観客を増やしたのでしょう。

集客のために

島田社長は、「勝てるチーム作りをするのも大切だが、それよりも、魅力あるチームにすることが重要だ」と言います。つまり、たとえ試合に勝てなくても、お客様がまた観たいと思うチーム作りを目指しているとのこと。

そのためには、会場でのエンターテイメント性やおもてなしも必要だと考えておられます。いわば、お客様に感動をしてもらう方法や喜んでもらうすべを考えているのです。それらは、すべて「集客」につながるからです。

そのため、千葉ジェッツでは、すべての従業員に集客を意識した活動を要求しています。そして、その活動の最も重要なポジションにいるのが「チケット販売担当者」です。彼らには、「会社のナンバー2」の意識を持つようにと言っています。

そのチケット販売担当者から、営業担当者、SNS担当者、ファンクラブ担当者、イベント担当者などに具体的な指示をしてもらっているとのこと。言ってみれば、「チケット販売担当者」は、経営企画室のようなものですね。お店で言えば、「店長」クラスということになるでしょうか。つまり、「集客」という目標を持って全社を動かす組織作りをしているわけです。

そして、千葉ジェッツでは、「集客」のために、地域とのつながりも大切にしています。地域に根付いてこそ、地域の皆さんが応援してくれるからです。おそらく、Bリーグの前身であるNBLで活動していた時は考えもしなかったことでしょう。革命的な変化と言えます。

いかがでしょうか。千葉ジェッツの「集客」ノウハウの一部がお分かりになったと思います。今回は、時間の都合で大まかなお話しか聞けませんでしたが、実際は、もっときめ細かい施策を打っているに違いありません。

とはいえ、こんな大まかな話からでもあなたのお店に参考になることがあります。そこで、千葉ジェッツを参考にして、あなたのお店に置き換えて考えてみましょう。

スポーツショップへの応用

千葉ジェッツは、「全員が集客にフォーカス」して組織運営をしています。つまり、従業員の全員が同じ目標に向かっていくということです。いわゆる、ミッションやゴールを明確にして方向性を同じにすることが大事だと分かります。販売スタッフだけでなく、経理や総務、商品管理担当の人達も同じ目標を持つことです。これは、出発点として重要なポイントです。

次に、千葉ジェッツは「魅力あるチーム作り」を目指しています。お客様にいかに喜んでいただけるか、ということを考えているのです。お店で言えば、お客様が要求する商品を提供することもその一つです。また、お客様が感動するような商品を紹介することもいいでしょう。お客様が喜ぶイベント企画をするのも、お店の魅力につながります。

そして、「おもてなしを大切にする」ということは、売場での接客だけではありません。買っていただいたお客様に、その後のフォローをしっかりとし続けることも大事です。コミュニティーを作ってお客様に楽しんでいただくということもあるでしょう。大切なことは、「魅力あるお店とは何かということを、いつも考え実行することだと千葉ジェッツは教えてくれています。

さらには、地域とのつながりをもつことも大切です。例えば、地域のイベントには積極的に参加します。地域のスポーツ大会を支援したり、商店街のイベントに協力したりということでもいいでしょう。逆に、お店が主体となってスポーツイベントを開催しても良いです。地域の人達に愛されてこそお客様が増えていきます。

いかがでしょう。こんなことを、千葉ジェッツの集客戦略から学べるのではないでしょうか。Bリーグは、発足以来まだ2年しかたっていません。知名度が高いわけでも資金力があるわけでもありません。そんな組織がお客様を増やすことに知恵を出しています。地域のスポーツショップにも、見習うことは多いでしょう。

今日のツボ■

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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