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近すぎず遠すぎず。なぜ売れる販売員は客との距離感が絶妙なのか

近年アパレル店に訪れる方の多くは形式的なトークを求めておらず、気持ちの良い距離からの的確アドバイスを欲する傾向にあります。今回の無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』では著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんが、接客業における重要ポイントは「パーソナルスペース」の確立であるとし、その磨き方について記しています。

距離感のチェック

つくづく感じることなのですが、接客業って距離感がとても大事です。

以前、あるアパレルショップへ買い物に行った時、商品を見ていたら、販売員がやってきて、「ぜひ着てみてください!」と元気な声で言われたことがあります。初めて入るお店で、お互いに初めて出会う人間同士です。私はびっくりしてしまって、思わず「はい」とは言ったものの、結局商品を見るのをやめて、逃げるように外へ出てしまいました

そうなってしまった理由は、かけてきた言葉がどうこうということではありません。突然50cmにも満たない距離に近づいて来られたからです。まったく知らない人が、いきなり目の前にやってきたので、驚いてしまって、居辛くなったんですね。これがもし、もう少し離れた距離から声をかけてくれていたら、私も驚くことはなく、商品を着ていたかもしれません。

よく言われる話ですが、人には「パーソナルスペース」と呼ばれる空間があります。他人に近づかれると不快に感じてしまうような空間のことで、この空間の中に入って来られると、あまり良い気分になれない距離というものがあるのです。

その距離に関しても、様々な意見があるのですが、接客業においてはざっくり1m前後の距離が理想的とされています(諸説ありますよ)。ただこれは、言うまでもなく、人によって差があることで、絶対というものでもありません。「この距離だと近すぎる」という人もいれば、同じ距離だっとしても、「この距離だと遠すぎる」と感じる人もいます。だから、問題は、その距離が何cmかという話ではなく、「そのお客様がどう感じるか?」なのです。

販売員は、人とコミュニケーションをとることに慣れているので、普通の人よりパーソナルスペースが狭くて、近い距離に違和感を感じない人も多いのかもしれません。しかし、お客様はそうではありません。もともと常連で、よく知っているお客様なら近くても良いでしょうが、初めて来店されるお客様であれば、あまり近すぎる距離には抵抗を感じてしまいます。それを考えずに、販売員自身の感覚で、お客様へ近づいてしまうと、やっぱりお客様は違和感を感じてしまうわけです。

ですから、そうならないためにも、販売員同士で距離感のチェックをしておく必要があります。スタッフ同士で、話し合って、「私はこの距離なら大丈夫」「いや私は、この距離だと近すぎる」といったチェックをすることで、自分の感覚とは違う感覚の意見を得ることができます。

その中で、自分が想定しているよりも、近すぎる・遠すぎるという意見があるのであれば、普段の接客でも意識しておかなければいけません。「このお客様はどのくらいの距離なら大丈夫かな?」と、相手のパーソナルスペースを考えられるようになることで、接客で重要な距離感を保つことができます。

自分の中の“大丈夫”が、他人と同じだとは限りません。せっかく接客そのものが良くても、距離感が合っていなくて、お客様に避けられては、とても残念ですよね。そんなことにならないように、事前にスタッフ同士で距離感のチェックをしてみましょう。

今日のおさらいです。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 坂本りゅういち 【発行周期】 日刊

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