同じ相手から同じように教えてもらっているはずなのに、いつも自分より多くの情報を得ている人、いますよね。無料メルマガ『販売力向上講座メールマガジン』の著者で接客販売コンサルタント&トレーナーの坂本りゅういちさんは、そんな「得する人」はどのようにして追加情報を得ているかを解説。それは、ほんの僅かな「手間」だけなんだそうですよ。
得をする情報の取り方
同じ情報源から情報を得ているにも関わらず、中には、もっと多くの情報を得ているという人がたまにいます。同じ相手から、同じように教えてもらっているはずなのに、その人だけは、さらに別の情報を知らぬ間に得ていたりするような人です。
例えば、一人の上司から、仕事のやり方を教わるとします。しかし、一緒に教えてもらったはずなのに、隣の人だけがなぜか別の情報を教えてもらっていたり、自分が教わっていないはずのことを知っていたりするのです。読者の皆様の周りにも、そんな、得をしている人が、知らぬ間にいらっしゃるかもしれません。
情報を得られていない状態の人は、これがとても不思議なはずです。自分が教わっていないはずのことを知っているのですから、
「なぜ、そんな情報をもらえているの?」
「いつの間に、教えてもらったの?」
と感じることでしょう。実は、そこにはある行動の違いがあるからなんですね。というのも、他の人よりも、余計に多くの情報を得て、得している人は、教えてくれた人に、お礼と感想を伝えているのです。本当にたったこれだけのことで、周りの人よりも、たくさんの情報を得ています。
どういうことか。
冒頭の人たちのように、一人の上司からAさんとBさんが仕事のやり方を教わったとします。その場では、確かに同じ情報を聞いているはずです。そしておそらく、二人とも、教わったその場で、「教えてくれてありがとうございました」と、お礼は伝えているでしょう。
それ以上の情報を得られないタイプのAさんは、その場でお礼を伝えて、教わることが終了します。しかしBさんは、その後その上司に、例えば、こう伝えています。
「先日教えていただいたことを実際にやってみたら、これこれこうで、とてもうまくいきました!本当にありがとうございました!でも、〇〇のあたりで苦戦してしまいました。もっと勉強しないといけません」
もう、何となくおわかりですよね? この後Bさんは、間違いなく上司から、苦戦した部分について新たな情報を得ています。
情報をくれた人は、正直、その後どうなったかをとても気にしています。もちろん、わざわざ顔に出したり口に出したりはしませんが、(する人もいるでしょうが)伝えた情報が役に立ったかどうかは聞いてみたいのです。そして、それをわざわざ伝えてくれることに対しては、とても嬉しく感じますし、もっと情報を与えたくなります。これはもう、人間の心理というしかないことかもしれません。
実際、お客様を接客している時の販売員は、思いっきりこの心理を経験しています。商品を買ってくれたお客様が、しばらくして、また来店され、「この間買ったアレが本当に良かったんですよ! ありがとうございました! でも、こんな場合の使い方がよくわからなくて…」なんて言われたりしたらどうでしょうか。思わず嬉しくなって、もっとその商品の情報や使い方を教えてしまいますよね? だから、同じように接客を受けたお客様の中でも、そうして来てくれるお客様は、やっぱり得をしているのです。
ぶっちゃけた話、実は、このメールマガジンやブログでも、同じようなことが起きています。私に、直接ご連絡をいただき、お礼と同時に、悩みや相談事を送ってくれる方もいらっしゃいます。当然、私は嬉しくなってしまうので、思わずさらに情報を提供してしまうわけです。
むしろ、そうしてくれる人は、とても気になりますし、もっともっと情報を提供したくなってしまいます。だから、さらに得をしてもらうためにも、遠慮せずに、どんどん送って欲しいと思っているくらいです。
一度教わった段階で、ストップしてしまうと、それ以上の情報を引き出すことはもうできません。しかし、ほんのちょっとのお礼と感想を伝えるだけで、もっと多くの情報を引き出すことも可能なのです。
情報は、世の中のすべてにおいて、周囲との差をつけられる貴重なアイテムとも言えます。どうすれば、より多くの情報を相手から引き出せるか、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。
今日の質問です。
- 上司や先輩から、もっと多くの情報を引き出すために、日頃からどんなことをしますか?
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