デメリットだらけの食材からメリットを創出した奇跡のレストラン

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たとえば小麦アレルギーの方にとって、グルテンフリーかつ栄養価の高い「玄米」は理想の食材ですが、硬さや「えぐみ」があるため、あまり常用向きではないことがデメリットでした。しかし、あえてそこにビジネスチャンスを見出した企業が運営するレストランがあることをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』でMBAホルダーの青山烈士さんが紹介するのは、オリジナルの玄米ペーストを使い、新たな「メリット」を創出した企業の玄米レストラン戦略について紹介しています。

デメリットを克服

玄米特化型レストランで人気の企業を分析します。

● 玄米玄気堂が運営する「レストラン GENMAI GENKIDO

戦略ショートストーリー

健康志向の方やグルテンアレルギーの方をターゲットに「オリジナルの玄米ペースト」に支えられた『栄養価が高い』『安心』等の強みで差別化しています。

硬くて食べにくいイメージが強い玄米をペーストにすることで、玄米の幅を広げ、玄米の味わいを活かしながらメニュー展開することで、顧客から支持を得ています。

分析のポイント

デメリットを克服

栄養価の高さグルテンフリーは、玄米の大きなメリットであり、健康志向の方や小麦などのアレルギーを持つ方にとっては非常に魅力的な食品といえるでしょう。

しかし、硬さや独特のえぐみがあるなどの理由で、使いにくいという側面(デメリット)があります。このデメリットを克服したのが「玄米玄気堂」が開発したオリジナルの玄米ペーストです。メリットである栄養価を活かしたまま、土や品種、製法などにこだわることで、デメリットを取り除くことに成功したわけですが、これは相当な試行錯誤を経た結果だと思われます。

世の中のほとんどの商品やサービスにはメリットもデメリットもあると思いますが、どんなにメリットのある商品でもそれを上回るようなデメリットがあれば消費者に買ってもらうことはむずかしいです。玄米の場合は、大きなメリットがあるもののその足を引っ張るようなデメリットがあったわけです。

そして、「玄米玄気堂」の場合は、デメリットを打ち消すだけでなくペースト化を実現することで、様々な料理に使いやすくするという新たなメリットを創出しているところが素晴らしいです。この新たなメリットは、小麦アレルギーを持つ方にとっては非常に価値のあることだと思います。

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主食で言うとパン、パスタ、ラーメン、うどん、ピザ、お好み焼きなど、ほとんどの食品に小麦が含まれていますし、ケーキやクッキーなど、多くのお菓子にも小麦が含まれています。小麦アレルギーを持つ方はこれらの食品を取らずに生活を送るわけですから、我慢しなければいけないことが非常に多いのです。

ですから、「レストラン GENMAI GENKIDO」が提供するパスタやリゾットなど、小麦アレルギーの方でも様々な料理を楽しめることは、QOL(生活の質)の観点からも非常に良いことだと思います。

「玄米玄気堂」のようにデメリットを克服することは容易ではないと思いますが、取り組む価値があるということを示してくれている事例だと思います。

「玄米玄気堂」が玄米ペーストを活用して、今後どのように事業展開していくのか注目していきたいです。

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