なぜトランプはイランが飲むはずない無茶な要求を突きつけるのか

 

アメリカーイラン対立の「勝ち組」「負け組」

● 勝ち組1 = イスラエル

イスラエルは、アメリカが敵ナンバー1イランを叩くことでもっとも恩恵を受けます。

「シェール革命で世界一の産油、産ガス大国になったアメリカが、中東への関心を失い、イスラエルを見捨てる」。この恐怖のシナリオは、オバマ時代、現実になりました。トランプは、親イスラエルですが、「イスラエルの戦略的地位が低下した」事実は、変えられない。

ですから、ネタニヤフ首相は、「親イスラエルのトランプが大統領でいるうちに、イランを攻撃させよう!」と思うかもしれません。そうならないことを願います。

● 勝ち組2 = ロシア

2014年3月のクリミア併合で、世界的に孤立したロシア。アメリカとイランの対立で、二つの利益を得ます。

まず、「原油価格が上がること」。原油価格は昨年夏時点でバレル45ドルでした。ところが、今は、バレル75ドルまで上昇しています。アメリカは、「11月にイラン産原油を禁輸する」と宣言している。常識的に考えると、原油価格は、まだ上がるでしょう。このことは、制裁で苦境に陥っているロシア経済を救います(すでに救っています)。

ロシアが得るもう一つの利益は、「孤立から脱出できること」。既述のように、「イラン核合意」に参加したのは、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、ロシア、中国、イランです。そして、アメリカ以外の6か国は、「合意維持派」なのです。つまり、この問題で、アメリカは孤立している。ロシアの立場は、イギリス、フランス、ドイツ、中国、イランと同じで、孤立していません。アメリカと欧州の対立は、欧州とロシアを接近させる結果になります。

● 勝ち組3 = トランプ?

11月の選挙結果についてあれこれいうのは、早いでしょう。しかし、トランプさん、保守派からは「有言実行の大統領だ」と高い評価を得ています。実際、「TPP離脱」「パリ協定離脱」「イラン核合意離脱」などは、「公約通り」なのですね。

勝ち組4 = 中国

米中貿易戦争で、中国は苦しい立場に立たされています。しかし、中国は、「イラン問題」をネタに、欧州ロシアとの連携を深めることができる。中国は、中ロ米=善、アメリカは悪 という構図をつくりだそうとするでしょう。

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