台湾最後の日本語世代が語り継ぐ、あの戦争と変わらぬ日台の絆

 

時が変われば世も変わり、台湾人の中に「中国人ではなく台湾人という自意識が定着し、社会も政治も確実に変わってきています。アメリカのトランプ政権の誕生によって台湾はさらに変わりつつあります

アメリカは、「台湾関係法」「台湾旅行法」「国防授権法」「AITの台湾事務所設立」などが、その変化の最たるシンボルです。問題は、蔡英文政権がそれに対してどう対応するかです。私は、こうした国の変化は、歴史という広い視点を持って見るべきだと考えています。

ですから、蔡英文政権が誕生したときも、急激な変化があるとは思っていませんでした。歴史という視点を持って見れば、蔡英文政権は台湾の歴史における過渡期に過ぎないからです。私が蔡英文政権に対して期待することは2つだけです。ひとつは、「九二共識を拒否し続けること。もうひとつは「司法改革に着手することです。「司法改革」は数世代にもわたってやるべき時間のかかることですから、まずは着手すれば十分です。

トランプ政権による米中貿易戦争は目下熾烈な戦いとなってきていますが、中国が受けるダメージはかなりなものでしょう。そして、台湾も日本も傍観者として見ているだけでなくこの戦いに参戦すべきだと私は思います。

2018年末、台湾では地方(中間)選挙があります。選挙を控えて、民進党と国民党はすでに戦いの狼煙を挙げていますが、その中の動きのひとつとして、馬英九元総統が再出馬するという話も出ています。彼は今、詐欺、汚職、国家機密漏洩をはじめ数えきれないほどの訴訟問題を抱えています。

その中でも台北地裁が受理した告発は、証拠の写真や録音音声などが揃っており、有罪判決からもう逃げられない状況にあります。そんな彼の唯一の逃げ道が、2020年の総統選に再出馬することなのです。さらに、彼が出馬すれば民進党に「迫害」された人々からの「同情票」が集まるのではないかとも分析されています。

最近、国民党内に「3つの太陽」があることも話題となっています。現主席の呉敦義、前主席の朱立倫、元主席の馬英九のことです。国民党は、太陽が多ければ多いほど党内が安定すると言っています。今年末からの選挙戦で、国民党は与党奪還のための戦いを民進党にしかけてくることでしょう。

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2018年7月分

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