テイクアウトとスピード配達の強化
ネットの施策以外では、テイクアウトを強化したことも成長の原動力となっています。11年にテイクアウトに限りピザ2枚を注文すると安い方のピザ1枚が無料になるサービスを始めたほか、15年にはテイクアウトであれば1枚でも割引となるサービスを開始しています。また13年ごろに、テイクアウトがしやすいよう、人通りが多くわかりやすい場所に出店したり、既存の店舗を移転したりしました。それにより、売り上げが大きく伸びたといいます。
宅配も強化しています。今年1月に注文から20分以内でピザを届けるサービスを始めました。時間内で配達できる地域であれば、ネット注文限定で追加料金200円を払うことで、通常より10分短い20分以内で配達します。追加料金300円で15分以内で配達するサービスも導入しています。30分以内での配達が一般的ななか、スピード配達を実現することで差別化を図る考えです。
ドミノ・ピザはこういった改革を断行したことで大きく成長することに成功しました。現在約530店を展開し、業界をけん引してきた先輩格のピザーラと店舗数では互角の勝負をしています。しかも、ピザーラは近年500店台で横ばいで推移し、伸びが見られない一方、ドミノ・ピザは店舗数を伸ばしています。勢いを考えると、近い将来にドミノ・ピザがピザーラを大きく突き放し、業界の盟主にのし上がる可能性すらあります。
勢いを考えればドミノ・ピザが優勢です。しかし、ピザーラも黙ってはいないでしょう。投資ファンドのもとで再起を図るピザハットも今後出店攻勢をかける可能性もあり、宅配ピザ御三家の今後の勢力争いの行方に注目が集まります。
店舗経営コンサルタントの視線で企業を鋭く分析!
毎日更新されるブログはこちら
image by: George Sheldon / Shutterstock.com