狙うは「おいしいのにたった150円」
こうした手法はこれまでも遺憾なく発揮しています。たとえば昨年11月に、CSN地方創生ネットワークが運営する飲食店向けオンラインマーケット「羽田市場」を活用し、日本各地の海でとれる旬の天然ものを提供するプロジェクトを開始したことがそうでしょう。CSNは羽田空港内で仕分けや加工を行うセンターを自社で運営しており、原則、とれたその日のうちに店舗に届けることを売りとしています。
スシローは羽田市場を活用することで新鮮なすしを提供できるようになるわけですが、効用はそれだけではありません。羽田市場はその斬新な仕組みが評価され各種メディアでよく取り上げられており、そうした羽田市場と組んでプロジェクトを打ち出すことで注目度を高めることに成功しています。そして、「羽田市場と組んだスシローのすしはおいしい」というイメージの確立にも成功したといえるでしょう。
このように本筋のすしを強化したことが功を奏し、売り上げ増につながったと考えます。一方でサイドメニューを強化したことも寄与したでしょう。スシローは近年、サイドメニューを強化しており、たとえば昨年11月に「スシローカフェ部」を発足し、スイーツの販売を強化しています。
いずれにせよ、スシローはおいしいすしを提供していることをアピールすることに余念がありません。そうすることにより、仮に100円皿のメニューを150円皿で提供する値上げを行なったとしても、客離れを最低限度に抑えることができるでしょう。「おいしいのにたった150円」と思ってもらえるすしをどれだけ提供できるかがカギとなりそうです。
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