絶好調スシロー「180円皿を150円に値下げ」は値上げへの布石か?

 

価格帯改定で見据える「値上げ」

今回の改定時には150円皿のメニュー数を従前の180円皿の時よりも増やしたことが特徴的となっています。中トロ(1貫)やタイ(2貫)など12種類をそろえました。これにより、お値打ち感のあるメニューが充実していることをアピールすることができています。

今回の改定は、今後の値上げを見据えている面もありそうです。たとえば、仕入原価の高騰などで100円皿では提供が難しいメニューが出てきた場合、180円皿で販売するとなるとかなりの割高感が出てしまいますが、150円皿であればそれほどの割高感は出ません。180円皿を150円皿にしたことで100円皿のメニューの値上げがしやすくなったといえるでしょう。

今後の3つの価格帯のメニュー構成の推移を見ることによって、スシローの狙いがわかるでしょう。100円皿の充実度が低下せずに150円皿が充実するようであれば、お値打ち感を打ち出すことが目的だったと言うことができます。もし100円皿のメニューを150円皿で提供するようなことがあれば、値上げが目的だったと言うことができるでしょう。いずれにしても、今回の改定により柔軟な打ち出しと展開が可能になったといえます。

スシローは価格帯の改定を実施した14日から、築地市場のすし店などとコラボレーションした商品を提供する「築地の匠×スシローフェア」を開催しています。人気すし店「大和寿司」「米彦」など4店舗の協力を得たこだわりのメニューを提供します。このフェアでは150円皿のメニューが多く、価格帯の改定を意識したラインアップにしたようです。人気店の高品質のメニューを150円皿で提供することで、お値打ち感を打ち出しています。

このフェアからは、スシローの強さの源を知ることもできます。

近年の大手回転ずしチェーンを巡る話題は“サイドメニュー”に集中するきらいがありますが、すし店の本筋は“すし”であり、やはりすしがおいしくなければ中長期的な集客は望めません。そうしたなか、スシローの今回のフェアでは人気店の協力を得たこだわりのメニューを提供しており、「本筋のすしがおいしいスシロー」というイメージの確立を狙っているといえそうです。

スシローがうまいと思うのは、人気店とコラボした上でこだわりのメニューを提供しているということです。単にこだわりのメニューを提供するだけでは注目度は大して高まりませんが、人気店とコラボすることで話題性が生じ注目度が大いに高まります。そうすることにより、集客を実現できるのです。

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