戦略コンサルタントとして、多くの経営者に日々アドバイスや提案を行っている無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者・中久保浩平さん。今回はそんなご自身の経験から「成長する経営者の特徴」を紹介しています。
当たり前を疑う
様々な業界・業種の企業や店舗でコンサルティングをさせてもらってきた中でアドバイスやご提案をしても、全く聞き入れないというクライアントもいらっしゃいました。
そもそも水と油的なことで考えが合わなかったり…とか、過去の成功法を捨てることができずにしがみついていたり…とか、相談してきてる立場で「言われなくても分かってるよ!」となぜか上から目線的だったり…、というような理由がほとんどでした。
一方で、
「そのような考えを持っていませんでした」
「そういう見方があったんですね」
「そんな風には考えてませんでした」
「そこは全く意識していなかったです。改善すべき課題が見つかりました」
「そうした意見は前からありましたが、やはり必要なことだったということがわかりました」
などと仰るクライアント達は、業績が明らかに伸びたり、改善すべきが改善されたりと目に見て明らかに変化がありました。ということから、コンサルタントの経験でいくと、やはり素直な方の方が、結果的に商売・ビジネスが上手く行くのは事実のようです。
今まで当たり前のこととして捉えていたものが実は外の世界では違って映っていた、普段気にもとめていなかったことが実は、進化・成長していく種だった、なんてこともあります。
「会社の常識は社会の非常識」
「業界の常識は世間では非常識」
「私の常識はあなたにとって非常識」
なんて言葉に例えられるように。
業績や規模が目に見えて成長していく企業・会社の経営者は、アドバイスや助言を受けたり、苦言を呈されても素直に受け入れ、次から次へと自らハードルを設定しそれを超えていきます。
当たり前を疑い、検証し、改善する。外部の空気を素直に受け入れ、取り組んでみる。それの繰り返しです。しかしながら、日々仕事をしているとツイツイ惰性で動き、
「これまではこのやり方でやってきたんだから」
「この業界ではそんなこと通用しないよ」
なんて考えることもあるこでしょう。ですが、それだけでは成長も変化もありません。場合によっては、これから先、生き残れません。
以前、ある会社のwebサイトの改善に関してご相談を受けた時のことです。現状では改善せずともwebからの売上は順調そのものだったのですが「それがいつまでも続くとは思えない」というのです。さらに、「売上は問題ないけど、先のことを考えれば、もっと地に足をつけるというか、顧客との関係をもう少し深めていく…絆を深めていきたいのです。」と。
そこで、既存のwebを拝見し私なりの考えや見解を踏まえ、分量にしてレポート用紙約100ページ分くらいのアドバイスを差し上げました。内容的には、webのこともありますが、レポートのほとんどが、webの改善から見えた、実際に改善すべき他の課題です。一言で言うと「webを作り直す前にやるべきことがたくさんありますよ」って話です。
そうすると、「そういう視点はこれまでありませんでした。とにかくwebサイトの改善をと思っていたので、webサイトのことだけしか考えていませんでした。自分達だけでは決して見つけることの出来なかったことだと思います。また課題が見つかりました。というか、webを改善するだけでは根本的にはなんにならないんですね。そのことも踏まえてweb改善に活かします」というような言葉が返ってきました。
こういった素直さを持てるかどうかで、先は変わって行きます。この会社、現状の売上に満足していれば、こういう考えは持たなかったでしょうし、私の言葉にも耳を傾けなかったと思います。というか、相談すらしなかったと思います。
現状に疑いを持ち、先を考え行動する。そうすることで、進化し成長できる。それには素直さが必要。そんなことを私はこのクライアントから学ばせてもらいました。今いる段階からさらに成長をしていくには、
- 当たり前のことに疑問を持つことも1つ
- 外部の空気に触れてみるのも1つ
- 他人の助言や苦言にも素直に耳を傾けることも1つ
です。さらに、時代と共に変化・進化する必要性を感じ、行動することです。
■今日のまとめ
「当たり前を疑うことから成長は始まる」
- 自社内、業界内において当たり前となっているようなことを列挙する
- 上記で列挙したものの代わりになるようなことはないか?考えてみる
- 上記2点を社内で話し合ってみる
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