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なぜ、デキる経営者は自分が気になる情報を社員と共有するのか?

日常の業務に関することを朝礼やホワイトボードなどで周知させる企業は多いと思いますが、さらに社員に周知させるべき情報があると語るのは無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者・梅本泰則さん。それは「世の中の流れ」に関する情報とのことですが、いったいどのようなものなのでしょうか。

■世の中の流れを社員と共有する

あなたのお店では、どのように社員の人たちと情報を共有しているでしょうか。毎日の朝礼で伝えることは、その日のスケジュールであったり、イベントの予定や成果であったり、お客様からいただいた声であったり、日常の業務に関することが多いはずです。また、どんな商品が売れているとか、メーカーさんの動向とかに関する情報も伝えられていることでしょう。

それらの情報は、朝礼で伝えられるだけでなく、事務所のホワイトボードにも記載されています。このような日常の業務に関する情報さえも社員の皆さんに伝わっていないとしたら、それは問題です。

では、あまり日常の業務と直接関係のないような「世の中の流れ」に関する情報は、どのように社員の皆さんに伝えられているのでしょう。

「世の中の流れ」に敏感な3人の経営者を知っています。一人の経営者は、新聞や雑誌、ビジネス書、ネットなどから得た情報をもとに戦略戦術に関するアイデアを考え、メモにしています。もう一人の経営者は、取り込んだ情報そのものをメモにしてノートに書き写すのが日課です。そのノートを、ときおり見返しています。そして、3人目の経営者は、気になった情報をコピーして毎日社員の皆さんに回覧しています。

どの経営者も素晴らしいと思いますが、情報を上手に会社の運営に役立てているのは、3人目の経営者でしょう。

■世の中の流れの情報

では、「世の中の流れ」の情報とはどういう内容のものでしょう。実は私も自分の気になった情報を書きとめています。例えば、最近では次のようなものです。

・広島カープの売上が2008年には60億円だったものが2017年には188億円を超えた
・アディダスの先進工場「スピードファクトリー」で作られたランニングシューズ「AM4TKY」が日本で発売になりすでに納品待ちの大評判になっている
・京都の繊維会社「ミツフジ」が、人のコンディションをスマホで管理できるウエラブルウエアを開発した
・ソニーの最近の業績が好調な原因の1つに、スマホゲーム「フェイト・グランドオーダー」の快進撃がある
・MBAで有名なグロービス経営大学院の堀義人学長がBリーグの茨城ロケッツのオーナーとなり最下位から地区2位の成績にまで引き上げた。
・焼き鳥チェーン「鳥貴族」の原価率は34~35%である。
・2017年の軽自動車販売台数1位はダイハツで、61万台であった。
・掃除機のダイソンが、電気自動車の開発を着々と進めている
・衣料品大手しまむらでは、最近客離れが進んでいるようだ

まだまだあげていけばキリがありません。とはいえ、これだけでも私の興味の一端が分かるでしょう。これらの情報の中には、スポーツ業界に関するものもあれば一見関係なさそうなものもあります。

もちろん人によって気になる情報は違いますし、同じ情報でも受け取り方に違いがあるのは当然です。それでも経営者は、自分が受け取った情報を社員の皆さんに伝えていくと良いでしょう。そして、その時には必ずその情報の持つ意味を自分なりに伝えておくことです。

■情報の共有

例えば、先に挙げた広島カープの情報であれば、

「2008年の観客数が140万人だったものが2017年には218万人まで伸びた。そして、年間売上188憶円のうち60億円が地元企業によるカープオリジナルグッズである。また、時間をかけてカープ女子というファン層を作っていったことが、成長につながっている」

といったような説明をしておけば、伝わりやすいと思います。DeNAの年間売上は168億円だったことなども付け加えられれば比較がしやすいです。そして、さらにこの情報が「世の中の流れ」のどんなことを示唆しているか、自分の考えとして伝えておきましょう。

そのようなことを、たとえ毎日でなくとも、気が付いたときに社員の皆さんに伝えることで「世の中の流れ」をおおまかに掴んでもらうことができます。また、経営者の「流れ」のとらえ方が、いずれ会社の方向性に影響を及ぼすでしょう。もしかしたら、社員の皆さんの中に、この情報をもとに業務や経営に役立つアイデアを考える人が出てくるかもしれません。

そのためにも、「世の中の流れ」に関する情報は、口頭で伝えるだけではだめです。3人目の経営者のように、情報のもととなった記事をプリントして社員の皆さんに分かるようにしておきましょう。社内に「情報掲示板」を設けるのも良いです。

いずれにしても、経営者はこうした情報に接する機会が多くあります。「世の中の流れ」に興味を持っているからです。興味のない人は、たとえ情報が目の前にあっても気が付きません。そして、現場の業務と関係のない情報を伝えることに躊躇をしてしまうと言われた経営者もいました。

決してそんなことはありません。経営者が今どんなことに関心があるかを知らせるだけでも効果はあります。ぜひ、自分の分析やとらえ方とともに、手にした情報を社員の皆さんと共有しましょう。

■今日のツボ■

・経営者は「世の中の流れに」関する情報をしっかりと社員に伝える
・情報を社内で共有するためには、プリントアウトすると良い
・情報を共有すれば、経営者の考えや方向性が伝わる

image by: Shutterstock.com

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ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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