なぜ、HISの「ハワイ挙式260組ツアー中止問題」は起きたのか?

 

旅行会社の「宿命」

なおHISでは扱う旅行商品における渡航先の中でもハワイが特に重要な地となっています。同社が発表した18年の夏休み期間の旅行動向見通しでは、渡航先としてハワイが10年連続で1位となりました。また、海外旅行の売上高構成比で「ハワイ・ミクロネシアは3割を占めており、売上高の面でも重要なポジションを占めています。東京・新宿にハワイ旅行を扱うハワイ専門店を設けているほどです。

また、同社が実施する挙式ツアーでもハワイは重要な地となっています。9月28日付日本経済新聞電子版によると「同社はハワイでの挙式ツアーを年間5,000組程度扱っている」といいます。海外挙式を専門に取り扱うセクション「アバンティ&オアシス」などでハワイの挙式ツアーを販売しており、大きな収益源となっています。

こうしたことからもよくわかりますが、HISはハワイにある結婚式場と多数提携しており、仮にクラウチングライオン社の結婚式場が期日に開業できなかったとしても、提携先の結婚式場を代わりに案内すれば済むと安易に考えたのかもしれません。

HISの海外旅行販売はJTBに次ぐ業界2位を誇ります。HISの業績は伸びており、17年10月期の連結決算は、売上高が前年比15.7%増の6,060億円と大幅な増収を達成しています。売上高の9割を旅行事業が占め、そのうちの7割が海外旅行です。HISは海外航空券の販売を目的に設立されたという経緯もあり、現在まで海外旅行の取り扱いが事業の中心となっています。

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HISは旅行事業が売上高の核となっていますが、一方で同事業は利益率があまり高くないという特徴があります。売上高営業利益率は2%程度にしかなりません。旅行販売は薄利多売のビジネスとよく言われますが、HISの旅行事業の業績からもそのことがよくわかります。多売することでようやく薄利を得ることができるのです。

このことからもわかるとおり、旅行会社は多売することが宿命となります。もしかしたら今回のハワイ挙式ツアーのトラブルはこのことが影響したのかもしれません。多売の観点から、顧客のことよりも売り上げを上げることを優先してしまい、「最悪、提携先の結婚式場を代わりに案内すれば済み、売り上げは確保できる」といった考え方が支配していた可能性があります。

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