「HOPE」という概念があります。
HOPEとは、「逆境やストレスフルな状況にあっても、明るくたくましく生きていくことを可能にする内的な力」で、いわば「光」です。
その「光」をもたらしてくれるのが、医師の言葉なのです。
個人的な話ですが、3年前に他界した私の父親は、「お医者さま」の言葉を何よりも頼りにしていました。
「○○先生から運動していいって言われた!」
「○○先生が『血液検査の結果も良好!』って言ってた」
「○○先生から『順調ですね!』って言われた」
などなど、入院中も通院しているときも、先生の言葉に父は勇気をもらっていました。
医師とは「残された命」に、光を与えてくれる存在なのです。
そんなときに「人生は思いどおりならない」という経験をした2浪医師の言葉が、必要になってくることもあるのではないでしょうか。
私がここで書いていることは、少々飛躍しているかもしれません。
しかしながら、私たちの研究室(東京大学大学院健康社会学教室)で、一般の成人男女300人を対象に、ホープに関する調査を行ったことがあるのですが、「信頼できる人」がいることでホープが強まる傾向にあり、医師などの医療関係者と「喜びや悲しみを共にわかちあえる患者」ほどHOPEが高いことがわかっています。
医療の技術や検査精度が高まっている時代だからこそ、患者さんと向き合える医師を、大学には育てて欲しいと心から願います。
image by: Shutterstock.com
※本記事は有料メルマガ『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』2018年10月17日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。
初月無料購読ですぐ読める! 10月配信済みバックナンバー
※2018年10月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、以下の号がすぐに届きます。
- 2浪は現役より劣る?/「唸った」(6) ほか(10/17)
- 「就職一括採用」という病/「唸った」(5) ほか(10/10)
- 葉っぱの落書きとノーベル賞/「唸った」(4) ほか(10/3)
→ いますぐ初月無料購読!
こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー
※初月無料の定期購読手続きを完了後、各月バックナンバーをお求めください。
2018年9月分
- 人生漂流時代の心構え/オレにも言わせろ! ほか(9/26)
- 私物化された大学の後始末/「唸った」(3)ほか(9/19)
- 日本が報じない米国の闇/「唸った」(2)ほか(9/12)
- 選択の自由と幸福感/「唸った」(1)ほか(9/5)
※1ヶ月分540円(税込)で購入できます。
※『デキる男は尻がイイ-河合薫の『社会の窓』』(2018年10月17日号)より一部抜粋