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ハズキルーペの売上急伸がヒント。「営業代行会社」起業のススメ

家電の営業代行として有名な「ライフマスター」という会社をご存知でしょうか。この会社が営業代行したことで、あの「ハズキルーペ」の売上が急激に伸びたそうです。このような営業代行システムは、他の中小企業にも需要があるとするのは無料メルマガ『がんばれスポーツショップ。業績向上、100のツボ!』の著者・梅本泰則さん。梅本さんは今後「営業代行」の会社は急成長し、定年後のOBやリストラされたOBの受け皿にもなると力説しています。

ライフマスターに学ぶ新業態

日経MJ10月19日号に、「ライフマスター」の記事が載っていました。社員の平均年齢64歳の「家電の営業代行」会社です。この「ライフマスター」が営業代行をしたことで、あのハズキルーペの売上が急激に伸びたとあります。この記事を読んで、ピンときました。スポーツ用品業界も、こうした会社は作れます。実は、スポーツ用品業界も社員の高齢化が進んでいるのです。私が知っている範囲でも、定年間近の人が大勢います。

定年後は今までとは違った仕事をしたいと考えておられる方もいるでしょう。また、しばらくはのんびりしたいと思っておられるかもしれません。しかし、なかなかそうはうまく行かないものです。一流企業の幹部だった人でさえ、簡単に次の仕事は見つかりません。ようやく見つけた仕事が、駐車場管理や交通整理だったという話もよく聞きます。それが現実なのです。

そればかりではありません。スポーツ用品業界では、リストラが盛んに行われています。決して外資系のメーカーさんだけではありません。国内大手のメーカーさんも人員整理をしています。当然のことながら、整理の対象はベテラン社員です。この人たちは、次の職場を見つけられているのでしょうか。ひと事ながら、心配になってきます。

そんな時、「ライフマスター」のことを知りました。ライフマスターのグループ社員は、家電メーカーや量販店のOBが中心で、150人ほどいます。家電の営業代行だということですから、当然売り込み先は家電店です。こうしたスタイルの会社なら、スポーツ用品業界でもきっと出来ます。

中小メーカーに必要な営業代行

他の業界でも同じでしょうが、スポーツ用品業界で定年を迎えた人やリストラにあった人たちの多くは業界を去っていきます。業界にとっては、もったいないことです。まだまだ十分に働くことのできる人たちも多いに違いありません。ですから仕事もしたいはずです。たとえ年金で生活ができるとしても、働いていないと元気がなくなると言われています。

また、シニアは新しいことを覚えるのが苦手です。そういう人たちにとって、それまでの業界と同じところで働けるならばその知識や経験を活かすことができます。そのため、シニアによる「スポーツ用品営業代行会社」ができたらどうでしょう。メーカーさんや問屋さんを定年退職したりリストラをされた人たちにとって良い受け皿になるのではないでしょうか。

メーカーさんや問屋さんにいた人は、それまで多くのスポーツショップと知り合い、懇意にしてきました。これは大きな財産です。業界の流通のしくみも分かっています。商品知識も豊富です。そんな人たちがメーカーさんの営業代行をしてくれたら良い働きをするに違いありません。

ただし、大手のメーカーさんは人手が足りていますから、営業代行は必要ありません。必要なのは中小のメーカーさんです。きっと、今の自社の営業マンよりも販売力があるでしょう。もともと、中小のメーカーさんは営業力が足りません。商品を作るのに精一杯だからです。ですから、全国のお店に商品を並べようと思っても苦労をしています。それに、営業マンの数も少ないです。

そして、取引先である問屋さんは大手メーカーさんの商品を売ることで手一杯。中小メーカーさんの商品にまで手が回りません。自社製品の営業代行をしてくれる会社があれば、すぐにでも活用したいはずです。

スポーツ用品営業代行会社

では、仮にこの営業代行の会社を作ることにします。どんな仕組みにすると良いでしょうか。

まず、メーカーさんと営業代行の契約をします。売上歩合制ではありません。最低基本料金を設定しておきます。投入する営業代行員の数に応じて料金が加算されるでしょう。また、どの商品をどれくらい売って欲しいかによって契約料が変わるかもしれません。

この会社が契約するメーカーの数に制限はありません。そして、契約したメーカーさんの事業戦略販売戦略を立てる機能もあります。この場合は、コンサルタント料が加えられるでしょう。お店への販売支援機能もあります。売り場作りの提案だけでなく、販売企画販売戦略の提案代行もするのです。これは、販売支援代行料とでも言うことができます。

また、この会社の良いところは在庫を持たないことです。在庫を持たないことで、資金繰りが楽になります。自然と動きが楽になるはずです。

社員は全員契約社員とします。毎年、契約を更新するという形が良いでしょう。そして、決して高給ではありません。「働く生きがい」も、給与として考えてもらいます。勤務地については、基本的にその社員の住んでいるエリアが勤務地です。各地で事務所を借りても良いですし、エリアによっては在宅勤務もあります。ここは、本部の調整が入るでしょう。

ざっと、このような仕組みで売上を稼いでいきます。ライフマスターは、2018年の売上が12億円くらいです。スポーツ用品の営業代行でも、それくらいの規模は可能でしょう。

実は、この営業代行会社は、新しい形の問屋業だと言えます。しかも、シニア人材を活用していますから国の働き方政策や健康経営の推進に貢献するのです。どなたか、こんな会社を立ち上げてはみませんか。そうすれば、地域のスポーツショップや中小のメーカーさんがもっと元気になることでしょう。

■今日のツボ■

・ライフマスターはスポーツ用品業界でも参考になる
・定年退職、リストラ社員を活用しなくてはもったいない
・中小メーカーにとって、営業代行会社は必要である

image by: Shutterstock.com

梅本泰則この著者の記事一覧

ワン・トゥー・ワンコンサルティング代表。スポーツ用品業界での経験と知識を生かし、業界に特化したコンサルティング活動を続ける。
スポーツ用品業界在籍33年の経営コンサルタントが、スポーツショップの業績向上法について熱く語ります。スポーツショップのために書かれた、日本初のメルマガです。ここには、あなたのお店がかかえている問題を解決するヒントがいっぱいです。

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【著者】 梅本泰則 【発行周期】 週刊

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