インドは、アメリカに並ぶ【最重要国家】
なぜ安倍総理が、インドのモディさんを特別待遇することがすばらしいのか?日本にとってインドは、アメリカに並ぶ【最重要国家】だからです。なぜ?軍事同盟国アメリカが「最重要国家」であるのは、中学生でもわかります。アメリカとの同盟がなければ、尖閣は、とっくに中国のものになっていたでしょう。沖縄も危険です(中国は、「日本には、沖縄の領有権はない!」と宣言している)。
では、インドは、なぜ最重要国?アメリカは、日本の軍事同盟国ですが、その力は相対的にどんどん弱くなっています。トランプさんのスローガンは、「アメリカを再び偉大に!」でしょう?ということは、トランプさんは、「アメリカは、昔偉大だったけど、今は偉大じゃない」と考えている。確かに、40~50年代とか90年代とかと比べると、アメリカは衰えている。「世界の警察官じゃない!」と自ら宣言するぐらいですから。そうなると、「アメリカ同盟頼り」だけだと危険ですね。
もちろん、「自主防衛能力」を向上させていくことが最重要。一方で、他の大国との同盟関係も深めていく必要がある。日本が「同盟国」に選ぶなら、インドが最適なのです。なぜ?ライフサイクルを見ると、欧州は成熟期、アメリカも成熟期、中国は成長期の最末期となっている。しかし、インドだけは、いまだ成長期の前期にあり、これからもますます成長しつづけていくことが確実。
インドは1947年、イギリスから独立しました。その後、混乱期が長くつづき、この国が成長期に入ったのは1991年でした。この年、インドは「経済社会主義」を捨てて、「自由化」に踏み切った。中国は、トウ小平が「資本主義導入」を決めた1978年から成長期に入った。つまり、インドが成長期に入ったのは、中国より13年遅かったことになります。
インドのGDPは2016年、2兆2,564億ドルで、世界7位。しかし、1人当たりGDPは同年、1,723ドルで、世界144位という低さ。常識的に考えると、インドはまだまだ「成長期前期」にいることがわかります。この国の1人当たりGDPが、(それでも貧しい)いまの中国並みまで増加したと仮定します。すると、インドのGDPは、約9兆ドルになり、日本を軽く超えてしまいます。そして、インドの人口は、日本の約10倍、12億1,000万人ですから、同国のGDPが将来日本を超えることは「必然」なのです。
将来、インドは、中国に並ぶ大国になるでしょう。ですから、日本は未来を見据え、インドとの関係を強化していく必要があります。
というわけで、アメリカとインドが日本の最重要国家です。安倍総理は、「大戦略観」をもって、インドとの関係強化に取り組んでおられる。実にすばらしいことです。
image by: 首相官邸