結婚式の披露宴では、来賓挨拶で毒を入れて笑いをとろうとする人がいるが、非常に危険だ。面白くなくても型どおりに、新しい夫婦の門出をお祝いするのが礼儀である。最初に褒めて、最後も褒める、これが基本である。毒を入れて滑ったら目も当てられない。新郎新婦に恥をかかせることになる。当たり前のことをなぜここに記すかというと、わたしもその超絶バカだったからだ。
いまや一般人でも発言が引用され、暴露され、拡散し、問題化していく現象が起きている。誰しもが、「問題発言」を発信する可能性がある。少しでも不謹慎だと受け止められる言葉は、大きな非難を浴びるおそれがある。コメンテーターは以前に比べて、厳しい監視のもとに置かれている。思ったことをそのまま話してはいけないというのが、彼らの暗黙の了解事項だという。
上手に短い話ができるようになる練習法がある。
- 前置きのない話し方をしてみる
- 話を1分にまとめる訓練をする
- 3分間がスピーチの限界だと心得る
- 微笑みながら軽く握手する
やってみよう。そんな機会があれば。
「思ったことを率直に言うことが相手に対して誠実である」というのは間違った認識である。率直な質問や感情的な発言は極めて危険である。むしろ大人は、思ったことをすぐに発言しない、即答しない、という心構えや訓練が必要だという。「普通、社会生活を経ていくと自然に身につく知恵なのですが……」。いちいち思いあたる指摘に、人生やり直せたらなあと思った。
編集長 柴田忠男
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