Amazonに続け。なぜ楽天と西友はネットスーパーに参入したのか?

 

もう一つの理由としては、食品を扱うことによって、ユーザーの来店頻度を上げたい、ということがあるのだろう。食品以外の雑貨カテゴリーにおいては、毎日買いに来るような商材は少ない。生鮮食品はできる限り毎日のように買いたいし、新鮮なものがすぐに欲しいというのが、消費者心理だろう。

また、企業側としては、食品はリピートでの購入が見込める。マーケティング活動において重要な、ロイヤルティを高めることもできるのだ。このような市場ニーズが、ある中で、ITの進化に加えて、ネットでの流通網の整備、そして、ノウハウが各社蓄積されてきたため、この乱戦の幕が開いた、と言えそうだ。

しかし、生鮮食品を仕入れ販売する、ということは生半可なことではない。産地とのつながりがなければできないし、今はCSR的にも品質の保持には特段のノウハウが必要だ。さらにオーガニックをはじめとした、新しいカテゴリーの食材も出始めている。

このような事業開始前段階での問題点を、自社で解決しようとせず、その点が得意な他社との戦略的提携で、各社が対応しようとしている点が特徴だ。 IYフレッシュにおいては、イトーヨーカドーグループが持つ、生鮮食品の仕入れノウハウと産地との繋がりを、アスクルの持つ、配送網とノウハウ、そしてネット通販での経験と、合体させ、協業することで、生鮮食品のネット通販に参入した。

この点においては、今回の西友と楽天も、同じように、自社の強みを考えた上で、自社に足りない点を捕捉できる企業との、戦略的提携を組んだ、という意味においては同様だ。

アマゾンも、自社のネット通販のノウハウと経験に、2017年に買収した米国の食品スーパーの、ホールフーズのノウハウを掛け合わせて、生鮮食品のネット販売に生かしているに違いない。 米国では、ウォルマートもマイクロソフトやグーグルと提携している上に、ニュースではいくつかの新進企業を買収して、ネット通販へのシフトを加速している。

アマゾンが、ウォルマートや、日本の各企業と異なっているのは、他企業との戦略的提携ではなく、ホールフーズを買収しての事業構築だという点だ。他企業との戦略的な提携の方が、スピードを持って開始できるだろうが、異なる企業文化の融合による不具合や、組織的な編成など問題も多い

他社を買収することは不確定要素も多いが、自社のノウハウに直接入れ込むという点においては社内浸透も早いだろうし、何より自社として「本腰」を入れることができる。 この点が、これからの競争にどう関わって来るのか、とても興味深い。

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