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悲しいけどこれ現実なのよね。配偶者の死後、姑らと絶縁する方法

配偶者の死後、その親族とどういう関係を築いていくかは各家族それぞれですが、配偶者亡き後、義理の親族とは関係を持ちたくないという人も一定数存在します。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、「死後離婚」と「姻族関係終了届」について紹介しています。

死後離婚について

さて、本日は切れ味の鋭いもののお話

秋は結婚式シーズンですね!ひとりよりふたりってことで、みんな新しいふたりの生活に踏み出していくんですね。

そして、そんなふたりの生活を続けて幾星霜。いずれどちらかが先に亡くなってしまいます。うむ、悲しい。諸行無常ですね。

そんな悲しみの中、最近活用されるようになった民法の規定があるんですよ。それが

と言われています。ご存じでしょうか。

知らない方のためにちょっと解説しましょう。…なんですが、これ、

だと思うんですよね。「死後離婚」っていう民法の規定があるわけじゃないんです。しかもここで言う「離婚」はフツーの離婚のことではなくて

を「死後離婚」と言っているんです。

つまり、配偶者とは連れ添って看取ったけど、配偶者の親や兄弟などと配偶者の死後までも付き合うつもりはナイ!というときにやるものなんです。

しかも、手続き的には生存配偶者が

です。死亡配偶者の親とか子供とかの同意も全く要らないし連絡する必要もない。しかも、死んだ側の親族からこの届けを提出することはできないんです。姻族関係終了届は、生存配偶者だけが提出できるんですよ。

その手続き的な手軽さが理由じゃナイでしょうが、ここ10年ほどで急激に増えており、平成20年と29年を比べると

になっているんです。うーむ。

…ちなみに、すごく誤解されていることがあるので、ちょっと確認しておきます。

結婚すると、相手方の親族と「姻族関係」になるんです。いわゆる舅や姑、コジュウトと呼ばれる人たちは「姻族」なんです。ところが、この姻族に対して

です。夫は妻の両親に経済的支援をする義務はないし、妻は夫の両親の介護をする義務もないんです。それはあくまで

なんです。知ってました??姻族に対して扶養義務を負うことは、同居しているか、家裁が判断するごく一部の例外を除いて、ありません。なので、配偶者が死んでも生きていても、厚意以上のモノを姻族に捧げる法的義務はないんです。なんでだかネットの法律情報も間違っているものが多いようでビックリです。

……でもね。日本人はとにかくこういうドライ(?)な話が

です。というか、なにかのグループに所属した場合

な拘束が発生することが多いですよね。しかも、こうした激しくてディープな関係の中で、チカラの上下関係があれば、上位者は絶対君主に下位者は奴隷になりかねません。

ま、就職などは典型例で、会社というグループに所属するとそりゃもう●畜やブラック企業などと海外から揶揄されるような、見境のない帰属ぶり(帰属させられぶり)になってしまいます。

こういう暑苦しくて息苦しい関係は、結婚によっても

生じているのが日本の現状です。地方などでは未だに妻を一段低く見るところがあり、そのため筆舌に尽くしがたい苦労をしている女性は実際にいらっしゃるのです。

なので、このような苦しさに長年耐えてきた生存配偶者が死亡配偶者の家族と

と決意して、姻族関係終了届を出すというのは、実によく解るお話なんです。

でね。さて、ワタシはココで

とか言うつもりはありません。また、もちろんこの逆で

みたいなことも言うつもりもありません。

夫婦のことは夫婦にしか解りませんが、それ以上に夫婦と姻族との関係は複雑で微妙なものです。いろいろなあり方がありうるはずでそのいずれでも仕方なく、また正解でもあると思うのです。

…ここは

です。そんな届出を出す必要のない良好な関係を築いてこられた方はイイんですよ。問題外ですから。ですが、そうでない方々はよくよく考えてみてほしいんです。

法律より世間律みたいなものを重視する日本で「姻族関係終了届」を出すことには、法律的な効果とは別の効果があると思います。すなわち

です。この届出を提出することで、異なる価値観の下で長く耐えてきた苦しい思いや、繰り返し金銭を無心された悔しさなどを吹っ切ることができるのではないかと思うんです。

そのような効果を期待するなら、この届出を出すのは大いに

でしょう。

いろいろなことがある夫婦の人生。パートナーが先に亡くなった場合、あなたは義理親族とどんな風につきあうのでしょうか。従前通り仲良くしていけるならそれもヨシ。それはムリ!なら、こんな制度があることを知っていてもいいかもしれません。

image by: Shutterstock.com

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食べるのは大好きだけど、作るのは超苦手。棚拭きとアイロンがけが何より嫌い。そんな家事オンチだった私がソレナリに家事をこなせるようになったワケ。家事全体を見渡して、最小の手間で最大のリターンを得る、具体的なシステムをお知らせするメールマガジンです。

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【著者】 真井花(まないはな) 【発行周期】 週3回(月水金)刊

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