毎月、季節の星空を詳しく紹介してくださる無料メルマガ『1日1粒!『幸せのタネ』』の著者・須田將昭さん。今回は須田さんが「今年は月の具合がいい」というふたご座流星群を取り上げています。
ふたご座流星群を見よう
これまでに何度か流星群の話題は取り上げてきました。流星、流れ星は、突発的に現れるものなのですが、特定の時期にある方向からたくさん流星が飛ぶのが見えるという予想がある程度できることがあります。
流星は、地球の周りを回っている石や氷の塊が重力に引かれて飛び込んで見えるものです。いわば「宇宙のチリ」が流星の正体なのですが、それが一定のエリアにたくさんあるのがわかっています。かつて地球に近づいた彗星の通り道だった、というのが主なものですが、ふたご座流星群は地球に近いところを回る近地球小惑星のひとつフェートンが母天体と言われています。
その軌道の通り道に残っているチリがたくさんあるあたりを地球が通っていく時に、たまたまこの冬の時期に、ふたご座の方向からたくさん地球に引っ張られて流れ星として見える、という寸法です。
今年の予報では、日本時間の14日21時ごろとされています。その前後でもたくさんの流星が見られますので、13日から14日にかけて、そして14日から15日にかけての夜がもっとも見頃だと思われます。15日は上弦の月があるので、夜半ぐらいまでは月明かりがありますが、月が沈んだ後は流れ星の観測に良い環境となります。
できれば、夜10時ぐらいから夜遅くまで見るのがいいでしょうね。ふたご座は夜遅くなるほど、どんどん高くなっていきますから、それだけ流星を見るチャンスも高くなります。ちなみに、放射点(ここを起点として流星が流れる、とされるポイント)は、夜中の2時ごろがもっとも高い位置になります。
見える流星の数は、街灯や家の灯りなどに邪魔されず、十分に暗い夜空のもとで観測した場合、最高で1時間に40個程度は見えるのではないか、とされています。
これは「最高の星空」ですから、何かと街の灯りがあって見える星が少ないところでは、それだけ流れ星の数も減ってしまいます。
それでも、ふと見上げる時に流れ星を見るよりはよほど確率高く流れ星を見ることができます。
その時にはせめて、15分、20分ぐらいは夜空を見上げていましょう。目が十分に暗闇になれるのに、それぐらいは時間がかかるからです。それぐらい見たら、数個は見えるのでは、と期待できそうです。
今年の夏のペルセ群は月の具合がとても良かったのですが、ふたご群もいい感じです。夜半まで上弦の月はありますが、ふたご座のあたりが高くなる頃には沈んでくれていますので、流れ星を楽しむには十分です。
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