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冬の京都も、また愉し。幽玄の美を求めて「嵐山花灯路」を歩む

師走の京都を彩る、優しい光──。今年も「嵐山花灯路」の季節がやってきました。今回の無料メルマガ『おもしろい京都案内』では著者の英 学(はなぶさ がく)さんが、嵐山の冬の風物詩とその時期限定で夜間特別拝観が行われている名所を紹介しています。

嵐山花灯路

京都の師走の風物詩のひとつ「嵐山花灯路」の時期が近づいて来ました。今年は12/8~17の予定です。

京都嵐山花灯路(公式ホームページ)

渡月橋、嵯峨嵐山の寺社仏閣、竹林の小径(こみち)が温かい光に包まれます。幻想的で荘厳な光景はライトアップとは趣きの違う世界でとても印象的です。きっと一生心に残る光景となることでしょう。

沢山のやさしい温もりのある行灯(あんどん)の灯りは約5kmに渡って嵐山の闇を照らします。そこはまさに幽玄の美の世界です。独特な雰囲気の光のページェントは特別な人と行くイチオシのイベントです。

この期間限定で夜間特別拝観をしている場所がありますのでいくつかご案内します。

■二尊院

本尊に釈迦・阿弥陀の二如来を祀ることから二尊院という呼び名がついています。天台宗のお寺で円仁が開基し応仁の乱の後、法然の弟子・湛空が再興しました。坂東妻三郎やそのご子息である田村家の菩提寺でもあります。参道は数年前のJR東海のCMでもおなじみ「紅葉の馬場」で有名です。

■落柿舎(らくししゃ)

蕉門十哲の一人として名高い江戸時代の俳人・向井去来きょらいの閑居跡です。庭にあった40本の柿の実が一夜のうちに落ちてしまったのが寺名の由来です。芭蕉が晩年「嵯峨日記」を著した場所としても有名です。

■常寂光寺(じょうじゃっこうじ)

小倉山中腹の静寂な場所は極楽浄土のひとつ常寂光土のようであることから名前が付けられたと伝わります。山門から仁王門、本堂、多宝塔へと続く参道は紅葉のトンネルになることでも有名なお寺です。そして山腹からの市内一円の夜景はまさに絶景です。

■野宮神社(ののみやじんじゃ)

平安遷都後、伊勢神宮の斎宮に選ばれた皇女が1年間籠って精神潔斎をする場所だったのが野宮神社です。祭神は天照大神で、黒木の鳥居は鳥居の原型を今に伝えています。源氏物語「賢木」の巻で登場する神社としても有名で、とても由緒ある神聖な神社です。

■大河内山荘庭園(おおこうちさんそうていえん)

小倉山の山麓に昭和初期の名優・大河内傳次郎(でんじろう)が30年かけて創り上げた借景庭園です。高台にある庭園なので見晴らしも抜群です。

■宝厳院(ほうごんいん)

天龍寺に属する塔頭たっちゅう寺院です。庭園「獅子吼(ししく)の庭」は嵐山を借景とした回遊式庭園です。秋は境内一帯がライトアップで照らされ真っ赤に染まり紅葉の名所でもあります。

■時雨殿(しぐれでん)

百人一首の世界を体感できる日本唯一のミュージアムです。

■法輪寺

713年に元明天皇の勅願によって行基が創建した古刹です。日本随一の虚空蔵菩薩の霊場で知恵を授けてくれるお寺としても有名です。そのため「十三まいり」の寺として全国的に知られています。境内隣りの舞台からは京都市内が一望できます。

嵐山花灯路の期間中は物凄い人で賑わっているので、充分時間に余裕を持って行動して下さいね。

■アクセス

※大渋滞と駐車場が限られていることを考えるとマイカーで嵐山まで行くのはオススメ出来ません。どうしても車で行くという場合は京都駅、桂駅、北野白梅町駅、四条大宮駅周辺の駐車場に停めておくことをオススメします。

12月の京都は紅葉も終わり寒いだけなんて思っていたら大間違いです。紅葉シーズンのライトアップを超える嵐山花灯路の光の演出は圧巻です。今年の12月は是非、嵐山花灯路にお出かけになってみて下さい。

京都は日本人の知識と教養の宝庫です。これからもそのほんの一部でも皆さまにお伝え出来ればと思っています。

image by: 京都フリー写真素材

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【著者】 英学(はなぶさ がく) 【発行周期】 ほぼ週刊

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