ゴミ出し違反ゼロに。マンション住民の意識を変えた意外な「紙」

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無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんが毎年審査員を務めているという、「マンションいい話コンテスト」。そんな廣田さんが今回の記事で紹介しているのは、グランプリ受賞作の「住民の交流がほとんどなかったマンションを救った、ある魔法のツール」のエピソードです。

合意形成、思いやり、コミュニティ…すべてにきく魔法

こんにちは!廣田信子です。

マンション管理業協会が実施している「マンションいい話コンテスト2018」(一般)の結果が先日発表になりました。

マンションいい話コンテスト 2018年度 受賞作品発表!

毎年、審査員をしていますが、ほんと、選ぶのが難しいのです。みんな、いい話だからです。あらためて「集まって住むってステキ!」と思わせてもらえます。

私は、小さなふれあいの心が温まる物語が好きで、毎年、私が一押ししたものは、ちょっと地味?なのか、グランプリには選ばれませんでしたが、今年は、初めて、一押ししたものがグランプリに!

私がいつも言っているようなことを、実際に、もっと発展的に実行してくださっている内容で、これは、多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。

それは…住民の交流がほとんどなかった390戸のマンションとその住民である投稿者Aさんの物語です。

大規模修繕工事のための臨時総会は、根本から覆すような質問が続き、かなり紛糾しました。その時、Aさんは、一度に分厚い資料で知らせるのではなく、もっと簡単な形でその都度知らせていたらよかったのではないか…と気が付きました。

それで、さっそく、理事会の広報部会に入り、広報誌かわら版の発行を引き受けました。それまで不定期発行だった「かわら版」が毎月理事会の次の週には発行されるようになりました。理事会の議題に関することだけでなく、マンション内での出来事も載せています。もちろん、理事会の承認を得て…です。

2億円をかけて、自走式駐車場を作るという計画が持ち上がったときは、反対者も多く、賛否を問うアンケート調査が行われました。そこに記載された意見を名前がでないようナンバーにしてかわら版に載せたところ、2回行われた説明会では、参加者は「自分は「かわら版」の何番の人の考えに賛成」「何番の考えには反対」という具合に、「かわら版」というワンクッションが入ることで、賛成反対という対立がない笑いが起きるような話し合いができ、両者が納得する結果を得ることができたのです。

その他にも、意見の交換の場として「かわら版」は大活躍。総会でのまとまりは非常に良くなり、雰囲気もなごやかになりました。

また、「かわら版」には「共同住宅でのマナー」についてもソフトに書いています。それによって、住人同士がみんな挨拶を交わすようになりゴミ出しの違反者はほぼゼロになりました。

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