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食品工場の敷地内に綺麗な花。これって異常じゃないですか?

毎日通い続けている職場ですが、その中で自分たちは普通だと思っている「光景」が、第三者からすると異常だと感じられるものも多い、とするのは食品安全のプロである河岸宏和さん。河岸さんは今回の無料メルマガ『食品工場の工場長の仕事』で、自身が工場監査の際に必ず伝えるという「職場を第三者の目で見ること」の重要性を記しています。

第三者の目で見ることの重要性

私が食品工場の監査に行った時には、「敷地の外から素人の方が写真を撮って、その写真の横に皆さんの工場の製品を並べてブログ、フェイスブック等のSNSに投稿したときに記事を読まれた方がどう感じるか考えた方がいいですよ」とお話します。

2013年5月にはうどんのお店のざるうどんのざるの裏にカビが生えていたと、フェイスブックに投稿され大きな問題になりました。たった一枚の写真が大きな問題になる可能性が出てきたのです。

ISO、HACCPなどの認証工場でも、敷地の外から写真を撮った時に食品工場とは思えない光景の工場があります。写真だけでなく、工場のそばを歩くだけで、異臭で鼻をつまみたくなる工場も私は見てきました。工場の中は許可がないと写真を撮ることは出来ません。しかし、工場の敷地の外からは自由に写真を撮ることが出来ます。工場の名前から、工場の中で製造している物は容易に推測がつきます。企業のHPから検索しても何を製造しているかは理解できるはずです。

ISOの監査員、防虫防鼠業者、毎日の納品業者などは異常な事と思わないでも、素人の方が工場のネットの外から工場を見ると異常に感じる事があるものなのです。

食品工場の敷地内に綺麗に花が咲いているのも、見た目には綺麗ですが、虫を呼んでいるという観点からは異常な事だと私は思います。みなさんの工場は第三者が敷地の外から工場を見たときおかしいと思うことはありませんか。製造工場が無くなってしまえば、働いている従業員の方、地域の方が困ってしまうのです。

製造工場をなくさないためにも、責任者が倫理観を持ち続けることが出来るような第三者の監査を行う事が必要なのです。第三者の目で監査を行うことは、内部の方には難しいかもしれません。工場に入社したばかりの新入社員の時には、おかしいと気がついていたことも、「風景化」してしまいおかしいことに気がつかなくなってしまいます。

出勤時に履いて来た靴と、工場内で履く靴が同じ下駄箱の同じ場所に置いてあっても、作業室内を歩く作業靴で外を歩いても、入社した頃はおかしいと思っても慣れてしまうのです。白衣のままたばこを外で吸っていてもおかしいとは思わなくなってしまいます。食品工場としての衛生管理以前にやってはいけない事がみなさんの工場で行われていないか、第三者の目で是非工場内を確認して見てください。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 河岸宏和(食品安全教育研究所 代表) 【発行周期】 ほぼ 週末刊

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