安倍外交に危険な徴候
ところが最近、安倍外交に危険な兆候が出てきています。もう一度思いだしてみてください。
中国の戦略は、「日米、日ロ、日韓関係を破壊し、日本を孤立させ、破滅させる」です。対する日本の戦略は、日米、日ロ、日韓関係を良好に保つことで、「反日統一共同戦線戦略」を「無力化」させること。
覚えておかなければならないのは、日本の戦略は、「不変」だということです。油断せずに、ず~~~~~~~~~~と続けなければならない。いつまで?とりあえず、中国で体制転換が起こるまでです。少なくとも後6~10年はつづける必要があるでしょう。
ところが、最近、安倍政権は油断しているのが見え見えです。日米関係はどうでしょうか?表面的には良好な関係が維持されています。しかし、安倍内閣は、米中戦争が本格化したとたんに日中関係を大きく改善させた。これは、アメリカからみると、「裏切り行為」に見えます。
日ロ関係はどうでしょうか?2018年11月、安倍総理とプーチンはシンガポールで会談。1956年の「日ソ共同宣言」を今後の交渉の基礎とすることで合意しました。これは、「4島一括返還論」から「2島先行返還論」への大きな転換です。「大きな譲歩」ともいえるでしょう。
ところが、その後ロシア側から、いろいろ要求がでてきた。プーチンは、「日ソ共同宣言には、返還後の主権がどちらに属するか書かれていない」などと「屁理屈」のようなことをいっている。ラブロフ外相は、「返還要求は、国連憲章違反だ!」などといっています。これらの発言を聞いて、日本側では、ロシアへの「不信感」が増大しています。
これは何なのでしょうか?4島だろうが2島だろうが、戦争で強奪した島々を返還することは、ロシアにとって「大損」なのです。だから、「あ~だこ~だ」いってくる。正直いえば、ロシアは、「領土」の話を全然したくない。
では、何がしたいかというと「金儲け」の話です。日ロ関係は、「金儲けの話中心」のときは良好であり、日本側が「領土問題の話中心」になると、途端に悪化します。日本国民がムカつくのはわかりますが、それで一番喜ぶのは習近平であることを、私たちは一瞬たりとも忘れてはなりません。
もうすぐ安倍さん、またプーチンに会うそうです。どうすればいいのでしょうか?「金儲け」と「領土問題」の話の比率を「金儲け7」「領土問題3」ぐらいにすることです。
総理、「私の任期中に北方領土問題を終わらせる!」などといってしまった。急ぐと焦りが生じ、いらん譲歩を強いられることになりかねません。あるいは、日本側がブチ切れて、日ロ関係が破壊されるか。だから、急いではいけない。金儲けの話と領土問題の話はわけて、比重は
- 金儲け > 領土
とし、両国関係が悪化しないようにしなければなりません。この点、安倍総理は、十分注意していただきたいと思います。