悪化する日韓関係
日ロ関係よりさらにひどいのが日韓関係ですね。徴用工問題、レーダー照射問題。日本国民が怒っているのはよくわかります。私も韓国のニュースを見るたび、ムカつきますし、心臓が痛くなります。それでも、「日韓関係が悪くなると、一番喜ぶのは習近平」と自分に言い聞かせます。
誤解しないで欲しいのですが、私は、韓国に対抗するのは大賛成です。レーダ照射問題も、起こった直後に圧倒的証拠を韓国だけでなく全世界に見せるべきだった。そして、「韓国が圧倒的に悪い」という国際世論を迅速につくるべきでした。
ところが、日本政府がノロノロやってるので、むこうが「日本の方が悪い」と反論する時間を与えてしまった。中国との関係悪化を恐れ、証拠映像を出さなかった「中国漁船衝突事件」の時と比べると、少しはマシになっています。それでも、「情報戦」はまだまだですね。いますぐ山岡鉄秀先を招き入れ、情報戦を指揮していただくべきです。
とはいえ、それでも日韓関係が全面的に悪化するのは避ける必要があります。日本では、「断交せよ!」とか「韓国の資産を差し押さえろ!」といった意見が力を増しています。それで一番喜ぶのは習近平です。
私たちは大人なので、「感情的」に生きてはいけない。「日本には沖縄の領有権はない!!!」と宣言し、領海侵犯を繰り返す中国に勝つために、「感情」を超え「戦略的」に生きなければなりません。
日本は戦前、強気強気で、「国益」を追求していました。満州国を守るために、国際連盟を脱退すらしたのですそれでどうなりましたか?原爆を二発落とされ、完全な敗北です。この超非人道的な行動すら、「日本が悪かったこと」にされている。それもこれも日本が「敗戦国」だからです。
昨年、米中覇権戦争がはじまりました。両国とも大量に核を保有しているので、戦闘は起こりにくい。それでも、戦争がはじまったことには変わりありません。日本は現状「戦勝国側」にいます。しかし、大戦略を忘れ、感情と欲望の赴くままに生きれば、また「敗戦国側」に転落です。
皆さん、世間は、韓国への怒り、ロシアへの怒りに満ちています。とても理解できますが、私たちは「これって、中国の思惑どおりだな~。一番喜んでいるのは、習近平だよな~」と戦略的に考えましょう。
安倍総理も、是非「大戦略の基本」に戻ってほしいと思います。
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