イギリスで何が起きているのか?今さら聞けない「ブレグジット」

 

もう1つの動きは「このEU離脱を利用した自己実現」ということが出てきます。特に、この問題は、イギリスの中において「スコットランド」「北アイルランド」が独立を目指しているということがあります。そのうえで、スコットランドは、イギリス全体とは異なり、全体の62%が残留派であったために、「スコットランドはイギリスから独立してEUに残留する」と宣言したのです。

スコットランド独立党のスタージョン代表は、このイギリスの混乱を利用して、スコットランドの独立を画策するようになります。当然、イギリスのEU離脱を歓迎しない他の国々は、そのスタージョンを支持することになります。EUの総会に、本来であれば「一地域の代表でしかない」スタージョン代表を参加させ、スコットランドのEU参加を認めるというような状況を作り出してしまいます。

しかし、このことは、他の地域の、地域独立を同様に呼び覚ますことになります。イギリスを非難していたスペインは、「スコットランドを歓迎する」などとし、「イギリスから独立することを歓迎し、支持する」などとしてしまったのです。その結果、スペイン国内のカタルーニャも「我々もスコットランドと同じである」というような主張を行うようになり、カタルーニャの独立運動が大きくなります。

イギリスのブレグジットの動きから派生する地域独立運動が出てくることになるのです。ちなみに、この第27話の主題は、ここ、つまり「地域自決主義」といわれる「地域の独立」とグローバリズムの関係というような感覚になってきます。そこで、この内容はもっと詳しく後に紹介します。

さて、このような中で、イギリスは、2019年3月29日までの間に、離脱に関する条件交渉を行い、そして離脱をすることになりました。メイ首相とすれば、メイ首相の反対派や漠然とした不安派を多く抱えた中で、議会や政党をまとめ、そのうえで、交渉を行わなければならないということになります。

それができない場合は、すべてのEUの恩恵がなくなるので、例えば、今まで関税なしで取引をしていたイギリスとヨーロッパ各国との関税を決定していかなければなりませんし、交通の往来なども1つ1つ条約を結ばなければなりません。

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