メイ首相は北アイルランドなどに郷愁をもって接しているために、その辺がうまくいかないわということになります。基本的に「政治に感傷をもって接する人はうまくいかない」の法則の通り、合理性を欠いた政策が、おかしな方向に向かうことになります。そのまま交渉も進まず、また国内の統一もできないというのが現状になってくるのです。
そして2018年12月に一応の内容を作ったのですが、その内容に関してイギリス議会はメイの離脱案を否決します。これに対して、内閣不信任案も否決するということになります。
それはそうで、この状況で、メイをやめさせて、首相になってまとめ上げられるだけの人はいないということになるのです。イギリスを「EU離脱したら国が亡びるというようないけにえにしたい」ドイツ・フランス、またはイギリス内でもEUに対する文化などの否定による感情的な対立があるために、少なくとも「ソフト・ランディング」は基本的にありません。
その中で「感傷的な結論」しか出せないメイ首相は、そろそろその「感傷的な結論」をなくす必要があるのではないかと考えられます。いずれにせよ、そのような状況が現在の状況なのです。さて、では、次回はイギリスの中心になっている「欧州懐疑主義」について簡単に触れてみましょう。
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