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カンブリア宮殿も紹介。なぜ話題の高齢者住宅は月20万もするのか

人気テレビ番組『カンブリア宮殿』でも取り上げられた、いま大注目のサービス付き高齢者住宅「銀木犀」。中でも特に人気を集める浦安の住宅を見学したという、無料メルマガ『まんしょんオタクのマンションこぼれ話』の著者でマンション管理士の廣田信子さんが、そのリポートを届けてくれました。

注目のサービス付き高齢者住宅「銀木犀」見学

こんにちは!廣田信子です。

先日、うらやすの市民大学の講座で、様々な媒体で取り上げられ、今、注目のサービス付き高齢者住宅「銀木犀」に伺いました。『カンブリア宮殿』の放映(「思わず住みたくなる!新発想の”終の住み家”:カンブリア宮殿」)を見て、ぜひ行きたいと思い、見学会を組みました。

人生100年時代は、できるだけ住み慣れた自宅で暮らしたいと思っても、最後は、見守りや介助がある場所で暮らすことも、当然、想定しておかなければならず、その時に、安心して、ここで暮らしたいと思える場所があれば安心です。

銀木犀〈浦安〉は、数十人が入居待ちをしている人気のサ高住」です。まず、その外観は、シンプルだけどデザイン性が高く、施設匂がまったくありません。オシャレなホテルのようです。

1階の木をふんだんに使った暖かい空間には、やはり手作りの木製家具がシンプルに配置されていて、それは、落ち着いた空間です。入り口は開放的で、すぐ入ったところには、話題の駄菓子屋があります。毎日、近所の子供たちが平均70名訪れるという売り上げ高を誇る人気の駄菓子屋です。

そして…伺ったのは3時ごろ、ちょうど、静かな時間帯でしたが、子供が学校から帰る時間になると、本当にたくさん子供たちがやってきて、駄菓子屋でお菓子を買うだけでなく、施設内で、自由にくつろいでいるのです。同時に、小さいお子さん連れのママグループが、奥の丸テーブルで持ち寄ったおやつを食べながら、普通に3時のお茶会をしています。

お昼には、銀木犀食堂がオープンし、入居者の方と同じメニューのランチが同じ食堂で食べられるのです。浦安の銀木犀食堂は、小さなお子さん連れの方が多いので、お子様ランチも提供しているといいます。そこで、自然にご近所の方との交流が生まれます

番組では、地域に開放していて、自由にご近所の人が出入りしている様子が伝えられていましたが、どこかで、本当だろうか、テレビ取材向けの、特別な日だったのでは…と疑う気持があったのですが、その疑問は吹き飛びました。

別に、来訪者の受付があるわけでもなく、飲食禁止とか、ゲーム禁止とか、何も決まりがなく、みんな、当たり前に知り合いの家に遊びに来たかようにそこにいます。番組で紹介されていた、駄菓子屋のおばさんの役割をしている87歳の入居者の方も、子供が来る時間になると、ちゃんと上から出勤?して店番をされていました。

入居者の方の自由を尊重し、さりげなく見守りながら、できることは、できるだけ自分でしてもらうようにしているとのことです。ここは、施設ではなく、あくまで高齢者向け賃貸住宅だということが尊重されています。

ただし、見守りはしっかりされていて、夜間4回昼間3回の計7回の安否確認がされているので、安心も得られます。

自由ということでは、個人のお部屋での飲酒は自由でタバコも喫煙コーナーで吸うことができます。外出ももちろん自由、食事は、メニューを見て頼みたいときだけ頼めばよくて、何人かのグループでお寿司とって食堂で食べているなんていう姿もみられるようです。親族が来訪して、いっしょにランチを食べている姿もよく見かけるといいます。

食事の時間も幅があり、みんなが一斉に…じゃなくて、自分の好きな時間に食べられるようになっています。食器やお盆なども、プラスチック製など使わず、木製や陶磁器が使われていて、レストランで食事を楽しむという感覚で、食事ができるようになっています。

入居対象は、概ね60歳以上要介護認定を受けている方となっています。で、訪問看護事務所、居宅介護支援事務所を併設しているので、介護が必要になっても介護サービスを利用しながらここに住み続けることができます。認知症を発症していても、周囲の人に暴力を振るうなど、共同生活がどうしても難しい状況にならない限り、ここで暮らし続けられるようサポートしているといいます。

そして、最後の「看取り」です。銀木犀は、この「看取り」を心を込めて行うことでも知られています。例えば、ガンの末期で、容体が急変しても、もう病院には入らず、ここで最期を迎えたいという希望があれば、在宅医療の専門のお医者さんと連携して最後を看取るといいます。そして、銀木犀というコミュニティで共に暮らした人たちが、ここでお別れ会を開催して、故人を見送ります。

入居時かかる費用は0円、月の費用は、1人部屋で、家賃、共益費、生活支援サービスを含めて20万5,000円~。諸条件で、銀木犀の中でも、浦安が一番高いのですが、やはり一番人気だということです。

他の地域の銀木犀もコンセプトはまったく同じですが、諸条件から、同じサービスを15万円~で受けられるところもあるようです。ただし、介護、看護、医療サービスを受けるのには、別途費用がかかります。ちなみに、銀木犀の運営会社は、土地・建物は所有しておらず、オーナーに家賃収入を保証しています。

取材や見学が絶えない銀木犀です。これからは、こういった形の個人の生活が尊重されながらさりげない見守りの目があり地域とつながって暮らせる終の棲家が、主流になっていくのではないかと感じました。

見学会に参加した人からは、ここなら入居してもいいね、今から申し込もうかという声がたくさん上がりました。自分の家を処分するなり、貸すなりすれば、この費用は、賄えない金額ではありません。

こういう高齢者の住まいの選択があるとわかって、何だか、みんな安心したように思いました。もちろん、私もです。

image by: 『銀木犀 浦安』公式ブログ

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【著者】 廣田信子 【発行周期】 ほぼ 平日刊

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