次は、発想力や創造力を阻む思考のワナについて考察します。この思考のワナには3つあり、
- アンカリングのワナ
- 現状主義のワナ
- ご都合主義のワナ
が挙げられます。
アンカリングのワナとは
私たちは、一番最初に得た情報にどうしてもこだわる傾向があるようです。例えば、第一印象や当初のデータなどによって、次に続く判断や考えが鈍ってしまうことがあります。
また、過去の実績(成功・失敗体験など)などに比重を置き過ぎて、その他の要素に十分な配慮を払わなくなることもあります。こういった特定の情報などによって発想力や創造力を妨げてしまう傾向があります。
このワナから抜け出すには、自分の見方とは違った別の観点から眺めてみることが必要になります。頭に最初に浮かんだ発想などにこだわらずに、別の出発点を選択して、そこから新たなアプローチを試してみます。
また、他者が発想・創造したものが自分の発想力、創造力をしばるものになるのを防ぐためにも、真っ白な状態から、まずは自力で発想・創造してみることもこのワナから抜け出す対処法のひとつになるでしょうね。
現状主義のワナとは
私たちは、無意識のうちに、何もしなくても良い理由を探す傾向があります。多くの場合、より無難な方策として、現状を維持する方策を選んでしまいがちです。例えば、「うまくいっているんだから、このままでいいじゃないか」と、これまでのやり方などを踏襲してしまうこともありますね。
また、選択肢が多ければ多いほど、現状維持の方向に傾くと言われます。なぜかというと、多くの選択肢からある一定の選択をすることには、努力を要し、現状を維持する方策を選択すれば、そのような努力を払わなくて済むからです。
このような現状を維持するワナからの対処法としては、現状を維持することだけが、自分が取りうる選択肢だと思わないことです。その他の選択肢がないかどうか考え、それらのプラス面とマイナス面を検討し、現状を分析する材料としていきます。
また、現状を変革する際に払う労力や努力、変革に伴う費用を過剰に大きく見積もらないことが必要と言われます。そして、現状を維持するよりも良いと思われるいくつかの選択肢がある場合には、最も良いと思われる選択肢を選ぶのが面倒だからといって、現状維持の方策に走らず、必ず新しい選択の道をとるように、自分自身に仕向けていくことで、発想力や創造力を高めていくことにつながっていきます。









