日本をより安全に。軍事アナリストが想像する米国との「合邦」案

 

軍事力については、自衛隊を米国の州兵(ナショナルガード)のような予備役的な位置づけにするのは現実的ではありません。特別な立法措置により、現在の防衛力を再構築して米軍全体における役割分担を、さらに明確にしていくことになるでしょう。世界第2位の対潜水艦戦(ASW)能力と世界3~4位の日本列島に対する防空能力に加え、重要な役割分担の分野を決めるのです。

このようになった日本州は、西恭之さん(静岡県立大学特任助教)が紹介してくれたトーマス・シェリング(ゲーム理論の泰斗でノーベル経済学賞)の言葉、「同盟の抑止力を高めるには、仮想敵国に対して、その同盟国がカリフォルニア州と同じ重要性をもっていると伝え続けること」を体現するものとして、カリフォルニア州以上の「米国の逆鱗」となるのは間違いありません。

中国もロシアも北朝鮮も、米国の逆鱗に触れるとは考えられませんから、日本州の安全は現在と比べても高まり、レーダー照射事件のような問題も米国との問題ということになると、韓国側から起こすことはなくなるでしょう。

もちろん、日本の歴史、伝統の問題がありますから、目下のところ、実現可能性はゼロなのでしょう。しかし、国際関係の激変や科学技術の発展によって、世界中で地域・国家の再編状況が生まれ、その中で「アメリカ合衆国日本州」の誕生もあり得ることとして、視野に入れておくことは、日本人が自国の価値を客観的に知るうえでも意味のないことではないと思います。

ついでながら、「合邦」については、友人の韓国の将軍から、なかば冗談だったと思いますが、「提案」されたことがあります。「小川ちゃん、韓国と日本が合邦すれば、北朝鮮なんて問題ないし、中国も手を出せないから、合邦しようよ」一連の韓国側の反日的な動きを見る限り、これは悪い冗談でしかないのですが、この頃は真顔で持ちかけられたのを懐かしく思い出しています。(小川和久)

image by: FreshStock, shutterstock.com

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地方新聞記者、週刊誌記者などを経て、日本初の軍事アナリストとして独立。国家安全保障に関する官邸機能強化会議議員、、内閣官房危機管理研究会主査などを歴任。一流ビジネスマンとして世界を相手に勝とうとすれば、メルマガが扱っている分野は外せない。

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