なぜ質問してこないコンサルタントはすぐに切った方がいいのか?

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先日掲載の「すぐに効果の出る対策を教えるコンサルが、相談者の会社を潰す」等で、現役コンサルタントの目線から「信用できないタイプのコンサル」を紹介している中久保浩平さん。今回も自身の無料メルマガ『ビジネス真実践』で、「クライアントに質問をしてこないコンサルがコンサルとは言えない理由」について専門家の立場から解説しています。

質問しないコンサルタント

質問してこないコンサルタントはもはやコンサルタントではありません。それほど質問は、コンサルタントにとって重要なのです。どう重要なのかというと、質問を繰り返していかないことには、クライアントの抱える問題や課題の本質に到達できないからです。つまり、「こんなことで悩んでます」という相談に対して「あっ、それでしたら、こうするといいですよ」というのは上っ面だけをみてアドバイスしているに過ぎず、コンサルタントの仕事ではないということです。

Aという顕在化されている問題に対して、施策を講じ、それをそのまま当てはめて「ハイ、どうぞ」では、またAという問題が起きる可能性が高い。そんな表面的な解決で済ませていては、コンサルタントとはいえないということです。

では、本質に迫っていくための質問とはどういうものか?

例えば、「こんなことで悩んでます」という相談に対して、「どうして?」「なにがきっかけで?」「これまでに同じように悩んだことは?」と、その悩みに対して、深く入っていくことです。

場合によっては、同じような悩みを持っている人達を想定し、その人達にも質問をしていきます。そこから、背景を見出し情報化したものに対して数パターンの仮設を立てます。こうした作業もなしに、これで悩んでいます、という事に対して「ならこれで」では真の解決策など見えてきません。表現が抽象的で恐縮ですが、イメージとして伝われば幸いです。

では、質問はどのようにどう繰り返しどこまで掘り下げていくものか?というような疑問を持つかもいるかも知れません。基本的には、どのようにどうやって、どこまで…というような原則などありません。相談者によって、質も深みも異なるからです。なので、相手の話す仕草表情イントネーションなど察知することも必要です。

よくあるのが、経営者から相談があったとき、少々見栄を張るというもの。以前は、繁盛していて社員もたくさんいたんだけど…といように過去に成功体験をしている経営者に多いパターンです。こうした経営者は、現状の悪化を正直に話してくれないことがあります。よくよく聞くと単なる見栄とか、恥ずかしさというだけだったりすることが多いです。

なので、質問を繰り返していく過程で、相手を同調・尊重しつつ話を掘り下げていくことが重要です。過去の成功体験が呪縛となることで、事実が脚色されて話されては真の原因にたどり着きません。その呪縛を解いてあげるのがコンサルタントに必要な質問力なのです。しかし、呪縛を解いていこうとすると、相手は構えます。

「こんなことを言ったら、経営者として失格ではないか?」
「これをいうと、失敗を認めてしまって信用されないんじゃないか?」

などといったようなことを無意識の中でも感じてしまっているのです。なので、責任は経営者の自分にあることが分かっていても市場や社会情勢、景気、時には社員の責任になどにしてしまうことがあるのです。

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