起業や転職、職場の異動など、我々の周りにはチャレンジしなければならない事案が数多く存在します。新しい事に挑むのはいくつになっても大変なものですが、それは子どもにとっても同じこと。今回の無料メルマガ『子どもが育つ“父親術”』では、子どものチャレンジ精神を高めるため大人がとるべき姿勢を紹介しています。
チャレンジしようよ!
今日は「新しいこと・まだできないことへのチャレンジ」について。
従来の私の考えでは、
- 「こんなことができると、こんな良いことがあるよ」とだけ見せる、伝える
- 本人に心の準備ができるのを待つ
- チャレンジしている時はよく見守る
- 準備ができる前に背中を押すのは、かえってチャレンジを遠ざける
との方針でした。ですが、最近になって、新しく
- 場合によっては、周囲から促す・背中を押してあげることも効果的
との考えを持つようになっています。きっかけは、息子がサッカーを習っている時の観察から。コーチが、利き足でない方の足を使うことや、新しく習った技術を実践することを子どもたちに勧めながら、
「どんどんチャレンジしようよ!」
「失敗していいんだよ。失敗するから、上達できるんだから」
「その代わり、チャレンジしないでチャンスから逃げたらダメだからね!」
と言っていたのを聞いて、気づかせてもらいました。その働きかけに対して、子どもたちは萎縮することもなく、徐々にチャレンジするようになっていったのです。
もちろん、チャレンジを始められるタイミングは個人差が大きい(言われてすぐトライする子もいれば、その日の最後に初めてトライしてみる子もいる)ものの、みんな新しいことにチャレンジしていました。
こうした「チャレンジを促す」という働きかけは、日常生活でも可能ですが、やはりスポーツや習い事などの方が、やりやすい側面があります。
- 子ども自身の中に、最初から「上達するために練習する」という意識があること
- 失敗しても、実際に困ることは何もないということ
がその主な理由です。もし身近な子どもに対して、ちょうど良い状況があったら、「チャレンジを促す」という働きかけを試してみていただいても良いと思います。
チャレンジできなかったら、励ましを。
「あれ~、今、左足で蹴らないで右足に持ち直しちゃったね~」
「持ち直している間に、相手が来てシュート打てなかったね」
「次は、左足で打ってみような!」
「ミスしてもいいから、思い切ってやってみよう!」
チャレンジしたら、認めてあげる。
「お!今、左足でシュートしたね!」
「すぐシュートしたから、相手が来る前に打てたね!」
「次もやってみような!」
「続けていれば、必ず狙った所に行くようになるよ!」
誤解のないように補足すると、大切なのは「チャレンジが成功する」ことではなく、「チャレンジしてみた」こと。上記のサッカーの例で言えば、左足のシュートがゴールに決まることは重要ではありません。自分の左側に転がってきたボールに対して「左足を振ってみた」ことが何よりも重要なのです。
- それがボテボテのシュートでも
- とんでもない方向に飛んで行っても
- 空振りだったとしても!
等しく認めて声をかけてあげるべきだということ、改めて強調しておきたいです。
こうして周囲が促し、子どもがチャレンジをどんどんするようになると、新しいことができるようになる(←上記の例で言えば、サッカーが上達する)ことに加えて、もうひとつ重要な効果を生み出します。それは、子どもの中の“チャレンジすることへの抵抗感・恐怖心”“初めてのことへの心のハードル”が、みるみる小さくなっていく、という変化。
サッカーの上達も子どもの財産ですが、普遍的なチャレンジ精神が身に付くことは、さらに貴重な財産になるはずです。
念のため言い添えると、今回の話はスポーツや習い事を勧める趣旨ではありません。
- 公園でボールを蹴ったり、フリスビーを投げたりしている時も
- 家でブロックを積み上げたり、工作をしている時も
- お手伝いで布団を敷こうと格闘している時も
さまざまな場面で応用できるテーマです。適切な機会を見逃さず、ぜひ、子どもたちのチャレンジを支えてあげてくださいね!
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