軍事費3.7倍。核保有の中国に日本が負けないため取るべき現実策

 

軍事的自立は、アメリカの衰退を埋める形で

そうはいっても、やはり「いつまでもアメリカだよりというわけにはいかないでしょう。アメリカは長期的に衰退していく方向だからです。日本が長期的にすべきことは2つです。

軍事的自立にむかっていく。これはどうすればいいのでしょうか?

もし日本が突然、「我が国はもうアメリカの世話にはならない!軍事的自立の道をいく!」と宣言すれば?アメリカはとても警戒するでしょう。中国に、「日本は軍事的に自立したいそうだ。だから中国が尖閣に侵攻してもアメリカは関係ない」というかもしれない。そしたら、尖閣は確実に奪われるでしょう。こういうやり方はまずいですね。

ではどうすれば?トランプさんは、「アメリカは世界を守って損をしている」と考えています。それで、日本にもNATO諸国にも、「もっと金を出せ!」と要求している。日本はいいます。

「確かにアメリカの負担多すぎですね。我が国は、できることを自分でやるようにしますアメリカの負担を減らしたいのです」

そして、アメリカのお墨付きを得て徐々に軍事的自立にむかっていけばいい

もう1つやらなければならないこと。それは、近い将来中国に匹敵する大国に成長することが確実なインドとの関係をどこまでも強化していくこと。アメリカとの同盟を維持しながら、インドとの「事実上の」同盟関係をますます強化していく。それでこそ日本は安泰でいられます。

「自分の国は自分で守る」という気概は、尊いでしょう。しかし、それで負けて、中国の「小日本省」になるのはまっぴらごめんです。それなら、他国の力を借りてでも勝利したほうがいい。

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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