6ヶ月以下の懲役又は30万以下の罰金。過度な時間外労働は違法に

 

T社社長 「そうだね。検討するよ。ところで、今日はどのような場合に、法律に違反することになってしまうのかもしっかり押さえておきたいんだ」

新米 「では、まず根底とも言えることですが、労働基準法においては、時間外労働を行わせるためには、36協定の締結と届出が必要です。36協定を届出することによって、免罰となるわけです」

T社社長 「基本中の基本だね。そこはよっしゃ!」

新米 「36協定を締結せずに時間外労働をさせた場合や、36協定で定めた時間を超えて時間外労働をさせた場合には、労働基準法第32条違反となり、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金です」

T社社長 「え~、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金かい!?」

深田GL 「はい、これは、前からもあったんですよ。今回の法改正では、この36協定で定める時間数について、上限が設けられたんです。また、36協定で定めた時間数にかかわらず、時間外労働と休日労働の合計時間が月100時間以上となった場合時間外労働と休日労働の合計時間について2~6ヵ月の平均のいずれかが80時間を超えた場合には、労働基準法第36条第6項違反となります。これも、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金ですね」

T社社長 「うーーん。要は、法律で厳しく決まったということだね」

深田GL 「はい、御社の場合、月100時間未満にすることはもちろんですが、2~6ヵ月の平均のいずれかが80時間という意味は、2ヵ月平均でも、3ヵ月平均でも、4ヵ月平均でも、5ヵ月の平均でも、もちろん6ヵ月の平均でも、80時間を意識しないといけないということですから、注意してくださいね。100時間近く時間外労働があった場合は、その前後の月は60時間近くでないといけません。翌月は意識できると思いますが、前月は過ぎてしまっていますよね。逆の言い方をすると、60時間ほどの時間外労働のあった月の翌月しか100時間の時間外労働はできないということです。いざというときのためには、普段から60時間に抑えておくことが必要とも言えます」

T社社長「おー、ホントだ。たしかにそうだねー。100時間ばかりに気を取られていたが、前月に60時間をクリアしていなければいけないことは気づいてなかったです」

新米 「はい、つまりは、毎月しっかり時間外労働が必要だということですね。管理監督者の労働時間も把握することとなりましたので、こちらもよろしくお願いします」

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