景気後退期の政策は
今までも述べてきたが、日本の未来を目指した構造改革を行う必要がある。資本主義が行きついたところが、社会主義であるというマルクスの言葉を実現しているのが、日本だと思っている。
このキーは、能力差による著しい貧富の差を作らないことである。ある程度の貧富の差は仕方がないが、行き過ぎないことである。日本は縄文時代から人間関係を重視して、なるべく平等にしていた。
集団社会では、それが社会の安定になり、犯罪も少ないことになっていたが、工業・ハイテク社会になり、徐々にその原則が崩れてきた。これを取り戻して、その上に経済的な富を増やすことである。
日本人は江戸時代でも、皆が助け合って暮らしていたから、皆が笑顔になれたようである。西洋人から見ると、貧しいのに皆が楽しそうであると記述している。
結果の平等も少しは必要なのである。皆が安定的に暮らせて初めて、社会の安定が成り立つからである。日本が今後、今より衰退して貧しくなる可能性があるが、しかし、その原則の上で政策を打つことである。新自由主義経済では日本は難しい。平等を志向した社会的な資本主義のアプローチを取ることだ。江戸時代の統治思想に近い。この統治思想のために、論語を思想教育の中心に据えたのである。為政者やリーダーは、私より公を優先する徳が必要と説く。
短期的な金融政策は、前にも述べたように、アクロバット的な金融政策しかない。長期金利は1%程度にして、短期金利は0%にするが、国債を売って長期金利を高める必要にもなる。そして、株価を下げないために、ETF買いはその幅を増やし、ある基準より高い時にはETFを売り、日銀の株保有量を調整することである。21,000円を基準にして、21,500円以上では売りでよいと思う。より強い統制経済化することである。通貨連合により日米でハイインフレを起こすことも含まれる。しかし、いつか矛盾がでてくるから、長く続けることはできない。どこかでは正常化が必要である。そのためには、新しい産業と強力に構造改革を進めることである。
ということで、長期的な政策は、少子高齢化に適合した構造改革と新しい産業を興すしかない。世界経済が冷え込み、日本企業の業績も下降して、税収も減少することになる。ハイインフレにすることで、税収を確保して、年金改革、移民政策、土地制度改革、インバウンド促進、農業水産改革、イノベーション促進で水素社会を作ることである。
規制緩和はイノベーションを起こすために行うことである。リスクを取らないと、何も生まれない。規制緩和をむやみに行いことも弊害があるが、新しい産業を生みための規制緩和は、行うべきである。
しかし、貧富の差を広げるイノベーションは拒否することも必要である。ウーバーなどの大都市での規制は、必要である。
さあ、どうなりますか?
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