初めての子育てに奮闘中のママにとって、一番頼りになる相談相手は「スマホ」というケースが増えています。心強い反面、情報が多すぎて何が正しいのか混乱し、不安に苦しむママも多いようです。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者の柳川由紀さんは、「不安に思う自分を否定せず、不安を消そうとしないで」とアドバイス。リアルな身内や行政に頼ることも大切だと教えてくれます。
スマホ検索が私を追い詰める
Q. 出産後、実家に3ヶ月ほどいましたが、その後は自宅に戻り、子育てしています。子どもは可愛いけれど、とても苦しいです。孤独と不安で一杯なのでスマホで掲示板やSNS検索しますが、今度は情報が多すぎたり、意見や批判を浴びたりしてなおさら不安を煽られてしまいます。(生後7ヶ月の男児の保護者様より)
柳川さんからの回答
ご出産おめでとうございます。初めての子育てで、孤独と不安で一杯なのですね。お辛いですね。少しでもその孤独と不安が減らせるよう幾つかご提案します。
1.スマホ検索で不安増大
ネットは便利です。もちろん有益な情報も多いですが、中には根拠のないものも多く含まれています。
育児の不安をネットで検索すると、否定的な情報が、関連ワードで表示されることも多くあります。そのため「これは気をつけなきゃいけないの?」「これも良くないの?」「え?それも?」とどんどん迷い、不安が大きくなっていきます。
また掲示板では、自分が元気なときには、全く気にならない言葉でも、不安や落ち込んでいるときに読むと傷つく場合があります。
2.リアル検索を
スマホ検索で不安が大きくなってしまっても、まずは落ち着いて、リアルの対話でママの不安を取り除きましょう。ただ、元気なママたちと一緒にいると、かえって「自分ばかり不安がって情けない…」などと落ち込むママも多くいます。
ママ友を作るのが苦手な方は、まず地域の保健師がいる保健所や、子育て支援センターなどへ出向き、不安な思いを吐き出しましょう。ゆっくりじっくりと耳を傾けて下さいますよ。一人で悶々と悩むよりもずっと気持ちが楽になります。
3.不安は消さない
子育てにまつわる不安は、誰にでもあります。でも、「不安を消そう」とすると、「どうしよう」とオロオロし、さらには「不安を解決できなかったらどうしよう」という、子育てとは別の不安まで作ってしまいます。
ですから、不安は消さずに、その感情をそのまま受け止めることです。「不安だけど、まあ気にしても仕方ない」、「この不安、きっと誰もが通った道」、「不安だなー、と思ってるんだ、今の私」と、否定しないことです。
家庭教育アドバイス…「親の気持ちは子どもに伝染する」
自分の抱いた感情が、周囲に伝染するのをご存知ですか?朗らかで楽観的な人と一緒にいると、自分も朗らかで楽観的になってきますし、反対に不機嫌でイライラしている人と一緒だと、こちらもだんだんイライラして不機嫌になってきます。
これは、感情が周囲に連鎖しているからです。心理学では「情動伝染」と言います。「伝染」ですから感染力は強いですよ、もの凄く。「感情」ですから、嬉しい、楽しい、好き、幸せ、悲しい、寂しい、嫌い、などですが、情動伝染は、ポジティブ感情よりも、ネガティブ感情の方が伝染力が大きいと言われています。
しかも、自分にとって影響力が大きい存在の相手ほど、その感情が自分に移りやすいのです。ですから、親が不安な気持ちでいると、子どもは不安、不機嫌になってグズり始めます。
「一番の相談相手はスマホ」というママも多く、笑顔で溌剌と子育てしているママたちの中に入るには大きな勇気が必要でしょう。けれども、一人で抱え込こむのはやめましょう。身内に「助けて」「教えて」「困ってる」とSOSを出しましょう。身内がいらっしゃらない場合は、地域の子育ての先輩や、行政の力を借りましょう。
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