実は「はやぶさ2」超スゲー。人気ブロガー・きっこが徹底解説

 

実際の映像を観ても、「はやぶさ2」が地表に近づいてタッチダウンする直前に細かい岩が舞い上がっているから、本体の下部にあるサンプラホーンという1mほどの筒からプロジェクタイルと呼ばれる金属製の弾丸を発射してちゃんと地表に当たっていることが分かる。そして、前回の「はやぶさ」のサンプル回収システムに改良を加えたシステムも正常に稼働したので、高い確率で岩石を回収していると思われる。ただし、サンプルが回収できたかどうかを確認することはできないので、来年地球に帰って来た時のお楽しみだそうだ。そして「お土産は帰って来た時のお楽しみ」ということから、この着陸地点にJAXAは「タマテバコ」という地名を付けた。

ちなみに、前回の初号機から使われている「はやぶさ」という名前は、わずか1秒ほどのタッチダウンの間に、地表に弾丸を発射してサンプルを回収する工程が、まるで「ハヤブサが地表の小動物を捕らえる姿のようだからという理由で付けられたものだ。だから、往復の長い旅も数々の調査もすべて重要だけど、中でもとりわけ重要視されているのが、この「サンプル回収」ということになる。

そこで、2月22日の実際のタッチダウンの瞬間の映像を、以下のリンクから観てみてほしい。「映像」と言うか、これは高速で連続撮影した画像を繋げて映像のように編集したものだけど、実際の5倍速に編集してあるので、とても観やすくなっている。実は、この画像を撮影した高性能小型モニタカメラCAM-H」は、2012年に「はやぶさミッション」を応援する市民から集まった寄付金の中から約1176万円を使ってJAXAが製作して、今回の「はやぶさ2」に追加搭載することになった機器で、あたしも少しだけ寄付をしている。

『2019年2月22日 はやぶさ2のタッチダウンの瞬間』

小惑星リュウグウには、大きな7つのクレーターとたくさんの岩塊があり、特に大きな13カ所には、それぞれ名前が付けられている。ただ、「ウラシマクレーター」や「オトヒメ岩塊」は、「タマテバコ」と同様にリュウグウ繋がりということで違和感はないんだけど、他に「キンタロウクレーター」や「モモタロウクレーター」や「キビダンゴクレーター」まであるのだ。『浦島太郎』の物語に金太郎や桃太郎まで登場しちゃったら、まるでどこかのケータイ会社のCMみたいだ(笑)

すべてのネーミングを『浦島太郎』関連でまとめるのはネタ不足だったのかもしれないけど、あたしなら「ウミガメクレーター」とか「タイ岩塊」とか「ヒラメクレーター」とか「サンゴ岩塊」とか、いくらでも思いつく。ま、それはともかく、いよいよ本題、リュウグウの「水を含む岩石を地球に持ち帰ることがどうして素晴らしいことなのかについて、ここから、分かりやすく説明したいと思う。

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