実は「はやぶさ2」超スゲー。人気ブロガー・きっこが徹底解説

 

まず、あたしたちの住んでいる地球がある太陽系は、太陽を中心として「水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星」の順に8つの惑星があるけど、太陽系ができたばかりの原始太陽系には火星と木星の間にスノーライン」、日本語で凍結線があった。これは、原始太陽系を形成する原始星において、水やアンモニアやメタンなどの水素化合物が気体や液体から固体になってしまう境界線のことだ。

いろんな水素化合物を挙げると分かりにくくなるので、ここでは「水」のことだけ説明するけど、このスノーラインの外側にある木星、土星、天王星、海王星などは、もしも水があったとしてもカチンカチンに凍ってしまっていた。何故なら、太陽から離れているからだ。そして、太陽に近い水星、金星、地球、火星は、もしも水があったとしても太陽の熱で蒸発してしまう。その上、45億年前に誕生した地球は、最初は地表がマグマで覆われていたから、水なんて存在できなかった。そして、何億年も掛けて地球が冷えてマグマが固まってからも、太陽の熱で水は蒸発してしまうから、やっぱり水は存在できなかった。だけど、現在の地球は全体の7割もが海で覆われている「水の惑星」だ。この大量の水はいったいどこから来たのだろう

唯一、考えられるのが雨だけど、そもそも雨は、海を始めとした地表の水分が水蒸気になって空へ上り、それが降って来るという循環システムだ。

だから、もともと水のない乾いた天体には雨は降らない。そこで、現在、最も有力なのが「スノーラインより外側にある凍った小惑星や彗星などが地球に衝突し水と有機物を運んで来たという仮説なのだ。もちろん、1つや2つの小惑星が衝突したくらいじゃ大したことないけど、45億年前に地球が誕生してから20億年くらいの間に、数多くの小惑星や彗星などが原始的な地球に衝突して、海の素と生命の素を運んで来たと考えられている。このころには、太陽の熱も安定して地球の水分をすべて蒸発させてしまうほどじゃなくなっていたから、十分に考えられるのだ。そして、この仮説が正しければ、地球に衝突した数々の天体は、水だけじゃなくて有機物も運んで来たわけだから、地球に生命が誕生した謎の解明にも繋がるのだ。

で、リュウグウだけど、リュウグウは全体の5割以上が隙間だらけのスカスカの構造で、構成する岩石の成分が均一なことから、太陽系が誕生した時に大きな天体同士が衝突を繰り返す中で、飛び散った破片が集まって出来たと考えられている。そして、リュウグウの軌道や構成する岩石の特徴から「親の天体」を探したところ、火星と木星の間のスノーライン上にある小惑星ポラナ(直径約55km)かオイラリア(直径約37km)のどちらかという結論に達した。ポラナは14億年前までに、オイラリアは8億年前までに少しずつ水が失われた天体だけど、このどちらかから出来たのがリュウグウであれば、リュウグウにはこのどちらかの天体の水を含んだ岩石があり、それを回収して地球に持ち帰ることができれば、太陽系が誕生した時と同じ原始太陽系の水が手に入るのだ。ね?凄いでしょ?

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