では、経済界の方はどうかというと「入社式」というのも、かなりトホホな部分が多いように思います。
まず良くあるのが、入社式の社長訓示で新入社員に対して「当社は国際化と情報化、そして働き方改革により徹底的に組織と社風の変革を行う」などと宣言するというパターンです。
この種の「ブチ上げ」型の訓示というのは、勿論、半分は新入社員ではなくメディア向けのリップサービスだということもありますが(それはそれで変な話で、新入社員に対して失礼です)、意外と大真面目だったりするのです。
問題は、社長が「徹底改革だ」とか「未来から来た諸君の世代に期待する」などといった「耳障りのいい」訓示をした、その数時間後に、現場に配属されたり、研修に参加した新入社員に対して、中堅の管理職から「あの社長訓示は忘れろ」というような「訂正」が入ることです。
つまり「社長は綺麗事を言ったが、残業ゼロでは現場は回らない、とか、未来へのアイディアなど忘れてしまえ、まずは実務にどっぷり浸かって一人前になれ」というような言い方で脅迫するわけですね。実に「あるある」パターンというわけですが、そんな風に後で訂正するぐらいなら、「ええカッコし」の社長訓示などやらなければいいんです。
後は、新人の方に「決意表明」などをさせる企業も間抜けですし、21世紀の今日に「社訓のコーラス」だとか「社歌の合唱」といった馬鹿げたことをやっている企業もダメダメという感じがします。
とにかく、学校にしても、企業にしても、「入学式」とか「入社式」というモノを徹底的に見直すことが必要で、そうでなければ時代の変化スピードの中で淘汰されていってしまうのではないかと思うのです。
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