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なぜ、人気コンサルは日報に「質問を入れろ」と提案するのか?

日々の業務の報告を日報や月報で管理する会社も多くあることと思われます。しかし、「単なる義務として日報を書くだけならばやらないほうがまし」とするのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で人気コンサルタントの中久保浩平さん。中久保さんは今回、自身も実践した社内活性に繋がる日報の作成方法を紹介しています。

日報を工夫するだけで???

毎日、就業時間の終わりに、その日の業務内容を日報に記入、提出、管理したり、あるいは毎月、月報を提出、管理しているという企業も多いことでしょう。ですが、それが単なる義務化であったり規則や評価対象的なことだけで執り行っているとすればあまり意味がありません

たとえば、ある日の部下の日報を見て、「Aくんは、今日はこんな動きをしていたのか。もうちょっと効率よく動いてもらわないとな~」なんて風にAくんの書いた日報を眺めてケツを叩くのがマネジメントではありませんし、日報を提出する側も、お決まりの言葉や文章を適当に記入してみたり、評価の為に、ほんとはスムーズに進んでいない商談をさもスムーズに進んでいるかのような記入をし報告するだけでは成長にもなんにもなりません。

もし、日々の日報がこうした取り扱い程度ならばお互いにその時間も作業も無駄であり、社内の報連相も上手くいっていないでしょう。

とはいっても、確かに日報は、日々の活動内容を申告するというものなので会社への義務的な意味もありますが、先ほどの例のように、あまりにも義務化し過ぎていたり、社内の規則として…というだけでは創造性も成長性も見込めません。やらない方がマシ

なんて、偉そうなことを言ってますが、私もかつて勤めていた会社では日報を毎日提出しなければならなかったのですが、日々の雑務に追われ、日報を提出するのが煩わしくて1週間分溜め込んで、先輩から怒られるなんてこともしばしばありました(今となっては恥ずかしい限りですが…)。

また部下が3人出来た時にもやはり私と同じように溜め込んで提出する人もいました(私のせいです)。そして、毎日、同じような言葉や云い回しで記入されている部下の日報を見て、違和感を感じ、突っ込みを入れると、「次週からはちゃんと頑張って書きます」みたいな返事が返ってきていました。「頑張って、書きます」って小学生レベルの交換日記じゃあるまいし。遅すぎますが、このとき、初めて日報というものにはどういう意義があるのか?を考えるようになりました。

仕事に限らずかも知れませんが、人が成長を重ねるには、インプットしたことをアウトプットすることが大切だ、ということがよく言われます。この言葉だけを見ると、本を読めば良い、とか、情報収集が大切だなんて捉えがちになるかも知れませんが、生の体験や体感こそがそれらに勝るインプットになります(いわゆる一次情報)。そして、その日々の体験や体感をアウトプットすることで成長を感じ取ったり、あるいは、その日の仕事を振り返って不足している部分を見つけ改善や献策に役立てることが出来てきます。そのアウトプットの手助となるのが日報」と考えるようになりました。

当時は、手書きで記入したものを提出してもらっていたのですが、これまでの管理主体の日報ではなく記入する本人が成長を感じ取れたり、改善点や献策を自ら考え、発見し行動できるようにと日報に工夫をいくつか施しました。また、どんな些細なことでも「ありのまま報告したくなるようにはどうすればいいか?」といところも考え工夫してみました。

そのうちの1つが「質問」という項目です。たとえば、「今日1日の中で良くも悪くも一番印象に残っているお客様はどんな人だった?」とか、「なぜそのお客様が印象に残っているのですか?」「特に印象に残ってる会話は?」など、とにかく、義務とか規則、管理や評価などというのとは別の意識を持ってもらう工夫をし、そのシーンを克明に記入し誰が見ても具体的で分かり易い報告をできるようにフォーマット化したのです。

こうして日報をマイナーチェンジしていくと、「こんなこと報告したら怒られるんじゃないか?」とか、「評価に響くんじゃないか?」というように、今までは報告しにくかったこともドンドン報告してくれるようになったので、活きた情報として共有することができるようになり、改善策や献策、もっといえば、戦略的なことも意見交換が活発になるようになりました。そのおかげでお客様への対応力や仕事の段取りの質が明らかに違ってくるようになったのです。

それまでは評価・管理主体のものだったので、日報に商談相手は前向きな感じと書いてあったにも関わらず、いざ同行してみると、実際は随分と商談相手との温度差があった、ということも度々あったのですが、日々の記録がイメージしやすく記入されるようになったので、ありのままの報告となり、細かい応対や次の献策なども自ら考え行動していくという習慣が出来ていきました。さらには2次効果的なものとして、書類での誤字脱字など、小さなミスも減っていきました。

まとめてみると、日報に対して、以下の2つのことを考えて工夫しました。

  1. 評価や管理主体のものではなく、報告者自身が成長する為のアウトプットツールという位置づけに
  2. そして、そのことを提出する側、管理する側互いに納得・理解・共有をすること

です。このような考えから工夫していくことで社内活性に繋がりました。

御社では日報にどんな工夫をすれば事務的・機械的なものではなく、意義のあるものになると思いますか?

■今日のまとめ

「日報は管理・義務で行うものではない」

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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