自社商品の売れ行きが芳しくない時に考えがちなのが「値引き」ですが、安易な値下げは得るものどころか失うものの方ばかりが多いようです。今回の無料メルマガ『ビジネス真実践』では著者で人気コンサルタントの中久保浩平さんが、「値引きしても売れない理由」について詳しく解説しています。
値引きしても売れない理由
当たり前ですが、商品やサービスには価格がありますね。そして、この価格に明確な根拠がないことには売れるものも売れません。
たとえば、今まで5,000円で販売していたものを売れ行きがイマイチで「高いから売れないんじゃないか…」と不安に感じ、3,000円で販売するようにしたとします。
でも、実際は売れ行きが伸びるわけでもない。5,000円の根拠が明確でない分、3,000円にしたからといって売れるわけではありません。
要は、価格に対する価値を販売者側が明確にしていないのにその価値観が市場やお客さんに伝わるはずもないということです。「売れないから値下げしたんだ」と見透かされてしまうだけのこと。そうやってドンドンと価格競争の中に自ら飛び込んでいくのです。
高いから…安いから…というのは、お客さんの判断ですが、その価格に対しての根拠は販売者が明確にしておかないといけません。「○○だからこの値段なのです」と。
こうした価値を根拠として明確にすることで、下手に値下げや付加価値なんてものを考えなくとも商品やサービスに対してまっすぐに理解してくださるお客さんが集まってくるのです。商品やサービスの価値を下げない、会社・お店の価値を下げない運営が出来るのです。
「そうはいっても、ライバル会社(店)はうちより安価だし、そこに勝っていかないと…」という人もいるかもしれませんが、実はその時点で、ライバルにはもう負けているのです。
なぜなら、ライバルの打ち出した価格に左右されているだけで自社の打ち出した価格に対する価値を理解していないのですから。あるいは、自社の打ち出した価格に対する根拠・価値にブレが生じているのですから。
多くの人は「その時点で負けている」ということにすら気がつかず、負け戦に果敢に挑むのです。
販売価格は非常に重要なことであることは誰もわかっているはずなのに、ちょっと売れなくなると、「高すぎたんじゃ…」とか、「ライバルが…」などとスグに価格の見直しを図るのです。
重要なはずの価格をコロコロと変えてしまうということは真に重要性を理解していないということです。商品やサービスの価値に対する根拠を明確にすることが適正価格なのです。
そういった適正価格で販売、提供していればその価値をわかってくる人はわかってくれますし、わからない人には、どれだけ値引きをしたってわかってはくれないのです。
そうやって、真の顧客と巡り合っていくのが商売、ビジネスです。そのことを十分に理解したうえで価格を打ち出し商売、ビジネスをしていかなければ正しく会社もお店も発展していきません。
貴社、貴店では、販売価格の根拠を明確に出来ていますか?そしてそのことを、販売員・営業マン達はきちんと理解していますか?
■今日のまとめ
「安易な値引きでは売れるものも売れない」
- 自社、自店の商品、サービスの価格についてなぜその価格なのか?列挙する
- 上記で列挙したものを社内で共有する
- 自社、自店の販売価格を守り通すためにはどのような取り組みが必要か?ノートに書き出す
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