2つ目は食事そのものの代謝を上げるようにします。糖質、脂質、タンパク質は三大栄養素ということで、栄養素の中でも最重要なものですが、それはこの栄養素だけがカロリーをもっているからです。しかし、それぞれの栄養素には役割があって、その役割がうまくバランスを取った時に、もっとも代謝がスムースになります。
ちなみに、そのバランスとは、エネルギー産生栄養素バランス(PFCバランス)のことで、エネルギー比にして糖質:脂質:タンパク質が60:25:15というのがひとつの目安となります。
減量とは脂質をカットしてみたり糖質制限をしたりと、言ってみればPFCバランスを崩す行為でもあります。つまり、減量に入ると栄養素的に代謝は落ちていくのです。代謝を落とすことで体は制約された栄養素に適応しようとするのです。
減量期にチートディなどを設けて代謝を上げる工夫も、結果的にPFCバランスを整えることにも繋がっているのです。
そして、減量の時には、その代謝が落ちていくことをも乗り越えて更なるカロリー制限をしたり、運動強度をあげたりして体重(体脂肪)を落とすわけですから、ここに減量が苦しい要因があるのです。
従って、本格的な減量に入る前には一度理想的なPFCバランスを作り上げて、極力スムースな代謝としてあげることで、本格的な減量に入った時が楽になるのです。例えて言うならば、遠くまでジャンプしようとする時の助走のようなものです。
糖質を極端に嫌わずにGI値の高い複合炭水化物を中心に、特に朝食を含めた午前中とトレーニング後には補給するようにします。また、脂質は普通に食べていると25%を超えるケースがほとんどなので、若干控えめにするように工夫します。
そして、タンパク質ですが、やはり朝食を含めた午前中は特に足りない傾向にありますから、プロテインを活用するなどして補給をしてください。またトレーニング後のゴールデンタイムへの補給も必須です。
このようなしっかりとした助走期間を設けてやることで、本格減量に入ってからの停滞期を最小限に抑えることが出来るはずです。ぜひ準備期間として1カ月ほど取り入れてみてください。
image by: aijiro, shutterstock.com