ピンク色のレッグマッサージャーを見て重力と人間について考えた

 

大人になればなったで重力は朝夕の身長の変化をもたらす。これは24個の椎骨の間でクッション材として機能している椎間板が日中の活動中に重力によって圧迫され、その結果身長が縮むからである。因みに椎間板一つにつき1ミリ縮めば、全体で軽く2センチは身長が縮む計算である。ついでに言うと、無重力下(宇宙空間)だと身長は逆に5センチほども伸びる

足が浮腫んでしまうのも重力が体液(血液やリンパ液など)を下位(遠位)に留めようとするからである。これがあるために靴のフィッティングは夕方か午後がいいなどと言われるのである。因みに女性の方が浮腫み易いのは男性に比べて血圧が低いからである。ポンプの力が弱ければ重力に逆らうのはなかなかに難しい。メディキュットの出番である。

老年期になれば、椎間板の弾性がなくなりその緩衝能力は衰える。腰痛の始まりである。また血管が硬化すると収縮する力が弱くなるから浮腫みもますます取れなくなる。そして最後には重力に抗する体力も気力もなくなり寝たきりとなってしまう。身体のあらゆる部位が抗重力の活動を止める時、生命としての活動もいよいよ終わりの時を迎えるのである。
こんなふうに考えると、どうやら我々の一生は文字通り「地に足をつけて生きる」もののようである。

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ここにあるエッセイが『8人ばなし』である以上、時にその内容は、右にも寄れば、左にも寄る、またその表現は、上に昇ることもあれば、下に折れることもある。そんな覚束ない足下での危うい歩みの中に、何かしらの面白味を見つけて頂けたらと思う。

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【著者】 山崎勝義 【月額】 ¥220/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎週 火曜日 発行予定

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